マレー半島縦断1800km『深夜特急』の旅⑩:首都クアラルンプールの煌めき
2019年12月20日(金)
「マレー半島縦断旅」8日目のつづき。
マレーシア半島を南下してきた縦断旅。8日目にして、ようやくマレーシアの首都クアラルンプールに到達。
本日から2泊3日、クアラルンプールに滞在します。
鉄道ロマン溢れる「クアラルンプール駅」
■ 1910年開業!クアラルンプールの旧中央駅
イポー出発から2時間半、列車がクアラルンプール駅に到着しました。
1910年の開業から2001年まで約一世紀にわたり、マレー鉄道の中央駅として役目を果たしてきた「クアラルンプール駅」。
中央ターミナル駅が、次の停車駅である「KLセントラル駅」に移行した現在において、ほとんどの乗客がそちらで降りるのでしょう。
ここクアラルンプール駅で降車した客は、わずか数人のみ。
かつて多くの旅人が行き交った構内も、時間が止まったかのように静まりかえっています。
外に出て、コロニアル建築の傑作といわれる駅舎を振り返ります。
このクアラルンプール駅を設計したのは、イポーの駅舎やタウンホール同様、英国人建築家A.B. Hubback。
お得意のムーア様式によるアーチと尖塔が見事です。
Kuala Lumpur Station
■ 駅正面に本拠を構える「マレー鉄道公社ビル」
クアラルンプール駅の真向かいに建つのは、「マレー鉄道公社ビル」。
今回の縦断旅で、すでに何度も目にしているマレー鉄道の「KTM」ロゴが、正面に掲げられています。
クアラルンプール駅同様、A.B. Hubbackの設計により、1917年に完成したマレー鉄道公社ビル。
重厚感のある外壁に、ゴシック調のアーチが整然と並ぶ建物は、男性的なイメージ。白とクリーム色を基調とし、華奢で女性的なクアラルンプール駅とは対照的なのが面白い!
KTMB Keretapi Tanah Melayu Berhad
マジェスティックホテル・クアラルンプール
■ 1932年創業のヘリテージホテル
マレーシア鉄道公社の隣にあるのが、「ザ・マジェスティックホテル・クアラルンプール」。
1932年の創業当時、マレーシア屈指の社交場として、上流階級の名士たちでにぎわった「ホテル・マジェスティック」の歴史的建造物を蘇らせたヘリテージホテルです。
独立系ラグジュアリーホテルが厳選された、マリオット・グループの「オートグラフ・コレクション」に加盟。
ホテルの入口では、コロニアル時代の制服に身を包んだドアマンが迎えてくれました。
フロントが混んでいて、少し時間がかかりましたが、無事チェックイン完了。
お部屋は本館ではなく、新館の15階。
扉を開けると、びっくりの光景が!
キングサイズのベット以外に、足が伸ばせるカウチソファ、4人掛けのダイニングテーブルに、ワークデスクがゆったりと配置された部屋。
まさかの「ジュニア・スイート」にアップグレードしていただいたようで、感謝感激!
窓からは、先ほど降り立ったクアラルンプール駅を眺めることができるオマケ付き。最高です。
■ ルームサービスで遅いランチ?
思わぬサプライズに興奮しきったら、お腹が減ってきました。
ルームサービスで遅いランチ(?)をつまみながら、夕方まで休憩。
マレーシア国立モスク
■ モダン建築とイスラム美術の融合
ホテルのエレベーターホールから見えた、ターコイズブルーの武道館のような建物。こちらは「マレーシア国立モスク」。
せっかくなので行ってみようと意気込んだものの、本日はイスラム教で安息日にあたる金曜日。
念のため見学時間をチェックしてみると、金曜日でも17:30〜18:30はオープンしているとのこと。
マジェスティック・ホテルから徒歩5分ほどで到着。
1965年竣工の国立モスクは、伝統的なイスラム美術を大胆に表現した近代建築。
イスラムの聖なるシンボルである八芒星(ルブ・エル・ヒズブ)をあしらった噴水庭園と、背後にそびる高さ73mの尖塔(ミナレット)が出迎えてくれます。
入場無料。女性はローブ着用が必須(男性は短パンなど露出が多い場合のみ)なので、入口をお借りしましょう。
一番の見どころは、礼拝ホール。
イスラム教徒以外は広間に立ち入ることはできませんが、清廉なブルーに輝くステンドグラスの美しさは、手前からでも十二分に感じることができます。
約8,000人を収容できるというメインホールの大空間を覆っているのは、番傘のような形が特徴的な屋根。
とんがり帽のような丸型ドームとは一線を画す、シャープで直線的な天井がモダンな印象を強めています。
- 現時刻
- Zohur=お昼過ぎの礼拝
- Asar=夕方の礼拝
- Maghrib=日没直後の礼拝
- Isyak=夜の礼拝
- Subuh=夜明けの祈拝
最後の2つは、1日の起点となる日の出に関する時刻。「Imsak」は、ラマダンのときに断食を始める時刻として、重要になってくるようです。
- Imsak=日の出前の時刻
- Syuruq=日の出の時刻
その他、歴代首相などの要人が埋葬されている英雄廟(Maqam Pahlawan)や、幾何学の透かし模様が美しい外壁や回廊など、閉館ぎりぎりまで内部を見学することができました。
National Mosque of Malaysia(Masjid Negara)
光り輝くペトロナス・ツインタワー
■ 大都会クアラルンプールのランドマーク
国立モスクから、Grabタクシーでクアラルンプールの市内中心KLCC(Kuala Lumpur City Center)へと向かいます。
渋滞につかまり、着いたのは7時すぎ。
首都クアラルンプールの夜空を貫く「ペトロナス・ツインタワー」。
日本と韓国の建設会社が、タワー1・タワー2とそれぞれ1本ずつ請け負って完成させたというのは有名な話。
メタリックに輝く外壁が、近未来の要塞のような得も言われぬ迫力。
大都会に君臨するランドマークを拝んで、クアラルンプールの1日目は終了。
Petronas Twin Towers
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