『深夜特急』イスタンブール番外編!ボスフォラス海峡横断とサバサンド
以前、沢木耕太郎さんの『深夜特急』に憧れて、タイからシンガポールまで鉄道で南下したマレー半島縦断旅。
今回は東南アジアを離れて、飛んでイスタンブール!
番外編『深夜特急』的イスタンブールの休日と題して、ボスフォラス海峡横断やサバサンドを楽しんできました。
- 伝説の店「プディング・ショップ」
- フェリーでボスフォラス海峡を横断
- アジア側の町「カドゥキョイ」観光
- トルコ風ピザ「ピデ」ランチ
- 風光明媚!海を望む「モダ地区」
- 再びフェリーでヨーロッパ側へ
- イスタンブール名物「サバサンド」
- 20時過ぎ!金角湾の奥に沈む夕日
伝説の店「プディング・ショップ」
■ バックパッカーが集まった情報交換所
イスタンブール滞在中、毎日のように行き来したのが、スルタン・アフメット広場横の「ディヴァン・ヨル通り(Divan Yolu Cd.)」。
トラム1号線が走り、お土産ショップやレストランが軒を連ねる、旧市街のメインストリートです。
この通りに、『深夜特急』で登場した「プディング・ショップ」が、今も残っています。
当時、店内には、相乗り募集や不要品売買などのメッセージをやり取りする掲示板があり、バックパッカーたちが集まったという伝説の店。『深夜特急』の主人公も、ここでカメラを売りに出そうかと迷っていました。
現在、掲示板らしきものは見当たらず、入口に「World Famous – PUDDING SHOP」という看板が掲げられているのみ。
普通のトルコ料理レストランとして営業されているようでした。
フェリーでボスフォラス海峡を横断
■ エミノニュ埠頭から「フェリー」に乗船
スルタンアフメットからトラムに乗って3駅、「エミノニュ(Eminönü)駅」で下車。
ここエミノニュにある桟橋(ヨーロッパ側)から、フェリーに乗って、アジア側の町「カドゥキョイ(Kadikoy)」を目指します。
観光客には、サンセットやディナーを楽しむ「ボスフォラス海峡クルーズ」が人気のようですが、バックパッカーのバイブル『深夜特急』的には、普通の連絡フェリーを採用。
ボスフォラス海峡や金角湾の各地を結ぶフェリーは、市民の足として欠かせない交通手段の一つのようで、トラムやメトロと同じく、イスタンブール・カードで乗ることができます。
フェリー乗り場の改札を抜けると、すでにボーディングが始まっていたので、そのまま乗船。
船内は、1階は室内席、2階は屋外デッキ席となっており、早いもの勝ち(自由席)です。
■ 海峡横断!ヨーロッパ側からアジア側へ
眩しいほどの快晴のなか、フェリーが出航!
「旧市街」にあるエミノニュ埠頭の奥には、「イェニ・モスク(Yeni Mosque)」と、丘の中腹に建つ「スレイマニエ・モスク(Süleymaniye Mosque)」が良く見えます。
ガラタ橋を挟んで反対側は「新市街」。高台から顔をのぞかせているのが「ガラタ塔」です。
ボスフォラス海峡の西岸、ヨーロッパ側に位置する「旧市街」・「新市街」の街並みが、徐々に遠ざかっていきます。
「トプカプ宮殿」を横目に、快調に進むフェリー。ボスフォラス海峡の東岸が近づいてきました。
アジア側の岸辺で出迎えてくれるのが、かつてアナトリア鉄道やバグダッド鉄道の始発駅だった「ハイダルパシャ(Haydarpasa)駅」旧駅舎。
かの有名なオリエント急行の旅路が、旧市街に残る「シルケジ駅」で終着を迎えた後、さらに東方を目指す乗客たちが、ここハイダルパシャ駅から旅立っていきました。
残念ながら改装&修復工事中でしたが、足場から覗く時計台と2つの側塔からも、在りし日の威容をうかがい知ることができます。
そうこうしている間に、カドゥキョイの桟橋に到着。エミノニュを出発して、約20分ほどの船旅でした。
アジア側の町「カドゥキョイ」観光
■ カドゥキョイを選んだ理由
今回、フェリーに乗る前に、行き先だけは決めておかないといけないということで、参考にしたのはイスタンブール在住「アジねこ」さんのYouTube。
カドゥキョイの町を散策している動画を見て、目的地をカドゥキョイに決めました。
■ 当てもなく気ままに街ブラ
フェリー下船後、しばらく通りを直進していくと、「雄牛の像」を発見。
写真を撮っている人がいたので、何か分からないまま、つられてパチリ。
帰国後に調べてみたところ(→参照記事)、この像は第一次世界大戦中、オスマン・トルコ帝国の同盟国だったドイツの皇帝ヴィルヘルム2世から贈られたものだとか。
当初はユルドゥズ宮殿に飾られていたものの、敗戦後、各所を転々とし、カドゥキョイの現在地に落ち着いたそうです。
Kadikoy Bull Statue
雄牛像のある広場のところで、右折。
道路の両脇に、カラフルなボール(?)が配置されたBahariye通りは、クリエイティブでアートな雰囲気が漂います。
こちらは、聖タカヴォル・アルメニア教会前の広場にいた「クロコダイル像」。
ワニが鎮座している大理石の本には、ギリシャ人の地理学者・歴史家ストラボン(Strábôn)が書いた『地理誌(Geōgraphiká)』の一文が抜粋されています。
Kadiköy Crocodile
雄牛にクロコダイルと、カドゥキョイの町で出くわした動物の像。でも一番楽しみにしていた、猫の銅像「トンビリちゃん」(→アジ猫さんの動画参照)には会えず…
やみくもに歩くのではなく、場所の確認くらいは事前にしておくべきだったと反省。
代わりに、道端でお昼寝していたモフモフちゃんの写真を、お納めください。
Kedi Tombili Heykeli(トンビリ像)
トルコ風ピザ「ピデ」ランチ
■ 舟形をしたトルコ風ピザ
町を散策しながら、ランチの場所を物色中。
旧市街ではアラビアンな異国情緒たっぷりなレストランが多いのに対して、カドゥキョイのレストランはギリシャのサントリーニ風(?)。
港町に似合うオシャレな飲食店が軒を連ねています。
ケバブにキュフテといった肉料理が続いていたので、ランチはトルコ風ピザ「ピデ」に決定。
細長い舟形をしたピデは、外側はパリッと、内側はもちもち。チーズの上には、トルコでは「スジュク(Sucuk)」と呼ばれるソーセージがトッピング。
クセのない美味しさで、ペロリと完食しました。
風光明媚!海を望む「モダ地区」
■ トラムに乗ってモダ地区へ
食後は、アジねこさんの動画で紹介されていた「モダ地区」へ行ってみることに。
カドゥキョイの町を時計回りで一周する環状トラム(T3)は、鮮やかなグリーン色の車体。
フェリーと同じく、このトラムもイスタンブール・カードで乗車可能です。
Bahariye通りにあるトラム乗り場から2駅ほど、モダ地区の最寄り(Moda İlkokulu)で下車。
緑が生い茂り、素敵なタウンハウスやアパートメントが並ぶ瀟洒な街並みを眺めながら、さらに南の海岸を目指して歩きます。
■ 海辺のカフェで休憩タイム
徒歩8〜9分ほどでしょうか、マルマラ海に面した臨海公園にやってきました。
空、海、自然が織りなす、目の覚めるような景色。まさに風光明媚!
ただ、雲一つない青空から、容赦なく降り注ぐ直射日光。
5月末だというのに夏のような暑さに、公園の一角にあるカフェ「IDEA Kadikoy」(←ここも、アジねこさんのおすすめ)へと避難します。
週末ということもあって、テラス席は満席状態でしたが、運良く空いたテーブルを確保。テーブルの足元にいた先客のネコちゃんにご挨拶。
店内はセルフサービス式。チャイを片手に、しばし休憩です。
IDEA Kadikoy
再びフェリーでヨーロッパ側へ
■ フェリー内でチャイを購入
カフェで小一時間ほどマッタリした後、トラムに乗って、フェリーターミナルに到着。
再度、ボスフォラス海峡を横断して、ヨーロッパ側へと戻ります。
チャイ売りのおじさんから購入したチャイを飲みながら、20分の船旅。
エミノニュの町が見えてきました。
そういうば『深夜特急』には、フェリーでイスタンブール(ヨーロッパ側)に到着した主人公が、暗闇に浮かび上がるモスクの尖塔を見て、『あれが有名なブルーモスクか』と思った(後日、スレイマニエ・モスクだと気づく)というくだりがありました。
何はともあれ、海辺に佇むモスクというのは、イスタンブールらしい景色の一つですね。
『深夜特急』で、5リラ50クルシュの優雅な航路と称されたフェリーでのボスフォラス海峡横断。
アジア側の町カドゥキョイで、観光地イスタンブールとは異なる、地元の人々の生活や活気を垣間見ることができたのも楽しかったです。
イスタンブール名物「サバサンド」
■ 日本人に大人気!カラキョイ側の屋台
『深夜特急』イスタンブール編で、もう一つ忘れてはいけないのが、「サバサンド」。
エミノニュやガラタ橋の周辺は、サバサンドの激戦区。
いかにも観光客向けのレストランをスルーして、向かったのは、旅ブログ『さぼわーる』の管理人・小山のぶよさんが絶賛していたカラキョイ側にある屋台。
https://ca-voir.com/istanbul-fish-kebab-jp/
日本人界隈ではかなり有名になっているようで、Google Mapで『サバサンド 屋台』と日本語検索したら、場所が表示されるので、迷うことなく行き着くことができました。
発泡スチロールの空箱の上にグリルを設置しただけの即席感あふれる露店。
丁寧に骨をとり、キレイに開かれたサバを、注文ごとに炭火で焼き上げてくれます。
■ 実食!待望の「サバサンド」
こちらの「サバサンド」は、パンというより、トルティーヤ風の薄生地で包んだラップサンド型。
サンドした後に2度焼きしているので、こんがりついた焼き色とソースの芳しい香りが食欲をそそります。
屋台なので専用のイートイン・スペースはありませんが、埠頭内の広場に座って、出来立てをパクリ!
サバの身はホクホクで、クセや臭みは一切なし。醬油の風味に似た謎の特製ソースが、日本人の味覚中枢を刺激してきます!
いや〜、これは美味しい。金角湾を眺めながら食べる「サバサンド」、最高でした。
サバサンド屋台
20時過ぎ!金角湾の奥に沈む夕日
■ ガラタ橋から望むサンセット
季節にもよると思いますが、訪問時のイスタンブールの日没は20時すぎ。
今回、ボスフォラス海峡を往復するにあたって、『帰りのフェリーをサンセットのタイミングにするのもいいかなぁ』と思ったのですが、ちょっと遅すぎたので断念。
代わりに、ガラタ橋から金角湾の奥に沈むサンセットを眺めながら、今回の『深夜特急』イスタンブール番外編はフィナーレ。
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