【赴任準備編】海外から日本の動画配信を見る方法!おすすめVPN3選
コロナ禍での爆発的な普及も手伝って、われわれの日常生活にすっかり溶け込んだ動画配信サービス(VOD=Video On Demand)。
「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」といった有料サービスから、「TVer」や「ABEMA」などの無料プラットフォームまで、百花繚乱。いや〜、本当に便利な世の中になったもんです。
が、しかし!
海外から日本の動画サービスにアクセスしようとしても、視聴することはできません。
これは、国によって異なる法律・規制・ライセンス契約などの観点から、対象地域外(つまり日本以外)からのアクセスを制御する「ジオ・ブロック(地域制限)」が作動しているため。
たとえば同じNetflixでも、シンガポールで視聴できるのは、シンガポール版のNetflix。作品のラインナップは微妙に異なり、日本版Netflixほど、日本のコンテンツは豊富ではありません。
海外にいても(いるからこそ)、日本のドラマやバラエティーが見たい!
そんなときに必要となるのが、ジオ・ブロックを解除する「VPN」。今回は、海外在住者の快適な動画タイムに欠かせない「VPN」特集です。
「VPN」とは?
■ IPアドレス変更で「ジオ・ブロック」解除
VPNとは、「Virtual Private Network」の略称で、日本語に訳すと「仮想専用ネットワーク」を意味します。
不特定多数が利用する「共用」回線内に、仮想的に独立した「専用」回線を作り出すことで、プライバシーとセキュリティを確保した状態で、インターネットに接続する技術です。
また、経由するサーバーのロケーションに応じて、IPアドレスを変更することができるため、「ジオ・ブロック」を無効化。
海外からのアクセスを制限している日本の動画配信サービスやコンテンツにアクセスすることが可能になります。
ジオ・ブロックの解除以外にも、以下のようなメリットがあります。
- ジオ・ブロックの解除
- 一部の国・地域(中国やロシアなど)における国家検閲の回避
- データの暗号化によるセキュリティとプライバシーの強化
- IPアドレスの秘匿・変更による匿名性の確保
海外在住者におすすめ「VPN御三家」
■ VPN3社のスペック・サービス比較
今回、有料VPNサービスを選ぶ際に、比較・検討したのが以下の3社。
人気・実力ともに高く、特に日本人ユーザーの間で支持されている「VPN御三家」です。
- ①業界大手の「Nord(ノード)VPN」
- ②日系の「Millen(ミレン)VPN」
- ③新興の「Surfshark(サーフシャーク)」
特徴 | 業界大手 | 日本企業 | 新興 |
---|---|---|---|
1ヶ月 | ¥1,760 | ¥1,360 | ¥1,793 |
1年 | ¥9,300(¥620/月) | ¥6,480(¥540/月) | ¥6,628(¥552/月) |
2年 | ¥14,580(¥540/月) | ¥8,640(¥360/月) | ¥8,273(¥344/月) |
速度 | 53 Mbps | 48 Mbps | 50 Mbps |
サーバー台数 | 5,000台以上 | 1,300台以上 | 3,200台以上 |
サーバー設置国数 | 59ヶ国 | 52ヶ国(ロケーション72ヶ所) | 100ヶ国 |
同時接続台数 | 6台 | 10台 | 無制限 |
対応デバイス | |||
カスタマーサポート | 24時間・年中無休 | 日本語対応。土日祝は休み | 24時間・年中無休 |
中国での接続 | △ | ◯ | ◯ |
ノーログポリシー | ◯ | ◯ | ◯ |
返金保証 | 30日間返金保証 | 30日間返金保証 | 30日間返金保証 |
公式サイト | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
3社のスペック一覧は上記のとおり。
これから、各項目の詳細について、一つずつ解説していきます。
8つのポイント!VPNの選び方
VPNを選ぶときに、判断材料となるのは8つのポイント。
各社の強み・弱み、自分にとっての優先順位を理解することによって、最終的にベストなVPNを選ぶことができます。
❶ 動画配信サービスへの対応状況
ほとんどの海外在住者にとって、VPNを使用する第一の目的は、自分が日本で見ていた動画配信を海外でも同じように視聴するということ。
VPNを契約したのに、見たかった動画サービスが見れなかったら、本末転倒。
自分の見たい動画サービスがVPNで視聴できるのかどうかは、まず一番最初にチェックしなければならないポイントです。
Netflix | ◯ | ◯ | ◯ |
---|---|---|---|
Amazonプライムビデオ | ◯ | ◯ | ◯ |
U-NEXT | ◯ | ◯ | ◯ |
Disney+ | ◯ | ◯ | ◯ |
Hulu | ◯ | ◯ | ◯ |
DAZN | ◯ | ◯ | ◯ |
Lemino(旧dTV) | ◯ | ◯ | ◯ |
Telasa | ◯ | ◯ | ◯ |
ABEMA | ◯ | ◯ | ◯ |
Paravi | ◯ | ◯ | ◯ |
FODプレミアム | ◯ | ◯ | ◯ |
TVer | ◯ | ◯ | ◯ |
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VPN3社とも、主要VODは視聴可能。もしマイナーな動画サービスを利用したい場合も、VPNで対応しているかは事前に確認しておきましょう。
❷ 利用料金プラン
次に料金プランを比較。
3社とも、1ヶ月契約、1年契約、2年契約と、3つのプランがあります。
1ヶ月 | ¥1,760 | ¥1,360 | ¥1,793 |
---|---|---|---|
1年 | ¥9,300(¥620/月) | ¥6,480(¥540/月) | ¥6,628(¥552/月) |
2年 | ¥14,580(¥540/月) | ¥8,640(¥360/月) | ¥8,273(¥344/月) |
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1ヶ月プランの月額料金は、それぞれ千円以上となっていますが、1年プランになると500円前後、SurfshackとMillenVPNでは、2年プランが300円台。
3社のなかで最も割高なNordVPNでも2年プランの月額540円と、利用しやすい価格設定となっています。
❸ 通信速度
VPNサービスの核心となる通信速度についても、チェックしておきましょう。
下記は、「FAST.com」を使って、VPN3社の速度(インターネット上でコンテンツを閲覧にする際に重要となるダウンロード速度)を計測したもの。
速度(ダウンロード) | 53 Mbps | 48 Mbps | 50 Mbps |
---|---|---|---|
サーバー台数 | 5,000台以上 | 1,300台以上 | 3,200台以上 |
サーバー設置国数 | 59ヶ国 | 52ヶ国(ロケーション72ヶ所) | 100ヶ国 |
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【測定環境】
- 使用端末:iPad Pro
- OS:iOS16.3.1
- CPU:Apple A10X
- 容量:512GB
- シンガポールから日本のサーバーに接続
YouTubeやNetflixなどの動画視聴で推奨されている速度は、超高画質(ウルトラ・ハイビジョン)の4Kでも15~20Mbps。◯Mbpsの速度もあれば十分。
YouTube | Netflix | |
---|---|---|
4K UHD(超高画質) | 20 Mbps以上 | 15 Mbps以上 |
1080p FHD (フル高画質) | 5 Mbps以上 | 5 Mbps以上 |
720p HD(高画質) | 2.5 Mbps以上 | 3 Mbps以上 |
また、VPNの速度低下を避けるために、VPN各社はサーバー台数とロケーションの増設に尽力。アクセスの分散と速度の安定化を図っています。
速度に関しては、3社とも十分な水準をクリアしているといえるでしょう。
VPN速度低下の要因
- 同じ回線を利用するユーザー数が多くなるほど、速度は遅くなります。
- サーバーまでの距離が遠くなるほど、速度も遅くなります。
❹ 同時接続台数
VPNを利用するデバイスの個数も、契約前に把握しておかなくてはなりません。
家族内でも個々のスマホで接続するのか、共有のPCやタブレット、ルーターで接続するのかによって、必要な接続台数は変わってきます。
同時接続台数 | 6台 | 10台 | 無制限 |
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一般的な家庭においては、NordVPNの6台でも十分だとは思いますが、それでは足りないという場合には、10台まで接続可能のMillenVPNや、接続台数無制限のSurfsharkなどを選びましょう。
❺ カスタマーサポート
何か問題があったときのためのカスタマーサポート体制も気になるポイント。
カスタマーサポート | 24時間・年中無休 | 日本語対応。土日祝は休み | 24時間・年中無休 |
---|---|---|---|
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日系のMillenVPNが日本語で対応可能というのは、他の海外2社にはない強みです。
ただ、NordVPN、SurfsharkVPNも、問い合わせチャットボットにはAIの自動翻訳を搭載。日本語のままやりとりできるので、そこまで心配する必要はありません。
❻ 中国での接続状況
VPNでジオ・ブロックをすり抜けても、最後に立ちふさがる壁がもう一つ ――― それは国家による検閲(ブロック)。
中国、ロシア、イランといった一部の強権国家においては、言論を統制するために、国内で利用できる情報・プラットフォームを厳しく制限しています。
中国で利用できない主なサービス | |
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特に中国では、外資系の主要SNS・動画配信・クラウドサービス等を徹底的にシャットアウト。
万里の長城になぞらえて、「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる鉄壁のブロックを突破するためにも、VPNは欠かせません。
VPN3社において、中国での接続に定評があるのが、MillenVPNとSurfsharkの2社。
対するNordVPNに関しては、中国で使えるときと使えないときがあるという口コミが散見します。
中国での接続 | △ | ◯ | ◯ |
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アジアを股にかけて働くシンガポール在住者のなかには、中国出張に行く人も多いかもしれませんが、そんな方にとっては中国に強いVPNというのが選択時の重要な条件になってくるでしょう。
❼ 個人情報・プライバシー
個人情報保護に対する国際的な意識の高まりによって、サービスプロバイダー側ではユーザーのオンラインアクティビティを記録しない「ノーログポリシー」が主流。
NordVPN、MillenVPN、Sursharkの3社においても、「ノーログポリシー」を採用しています。
ノーログポリシー | ◯ | ◯ | ◯ |
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❽ 対応デバイス・機器
最後は、対応デバイスについての確認。
Windows・Macのパソコン、Android・iOSのスマホなど、主要デバイスで使用できるのは、3社とも同じ。
対応デバイス | |||
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差が出たのは、スマートTV、ゲーム機器、ルーターへの対応。
特に、PCやスマホからTVの大画面にキャストして、動画配信を楽しんでいる人にとっては、スマートTV対応は必須。
インターネット接続機能が内蔵された「アンドロイドTV」や、Amazonの「Fire TV stick」やGoogleの「Chromecast」が使えるNordVPNとSurfsharkに軍配が上がります。
Amazon Fire TV Stick | ストリーミングメディアプレイヤー
|
Google Chromecast GA03131-JP 2K | TV画面にストリーミング
|
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¥4,980 | ¥4,890 | |
Amazon | Amazon | |
楽天市場 | 楽天市場 |
徹底解説!おすすめVPN3社の特徴
■ 全方位に死角なし!業界大手「NordVPN」
強制的なデータ保持法のないパナマに拠点を置く「Nord(ノード)VPN」は、ITセキュリティ・ソリューションの大手Nord Security(本社:リトアニア)が運営。
2012年の設立以降、世界中に1,400万人以上のユーザーを持つVPN業界のリーディング・カンパニーに成長しました。
メリット | デメリット |
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最高峰のセキュリティとプライバシーに加えて、高速で安定した接続スピード。
更には主要デバイスからスマートTV、ルーター、ゲームまで、幅広い対応機器。全方位にバランスの取れたVPNプラバイダーです。
中国での接続が優先順位ではない場合、NordVPNにしておけば問題なし!
■ 抜群の安心感!日系の「MillenVPN」
アズポケット株式会社が運営する「millen(ミレン)VPN」は、2016年に日本で誕生した国産VPN。
海外勢が主流を占めるVPN業界において、日系という抜群の安心感から、特に日本人ユーザーの間で人気を集めています。
メリット | デメリット |
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1ヶ月契約から、1年・2年の長期契約まで、リーズナブルな価格設定。また力を入れる中国での接続には定評があり。
ただ、アマゾンの「ファイヤーTVスティック(FireTV Stick)」やグーグルの「クロームキャスト(Chromecast)」などを含むスマートTVなどに対応していないのが残念。
日本語でのカスタマーサービスで、IT初心者には心強いポイントです。
■ 接続デバイス無制限「Surfshark」
オランダに拠点を置く「Surfshark(サーフシャーク)」は、2018年に設立されたばかり。
高速スピードと無制限のデバイス接続、そしてコストパフォーマンスの高さを武器に、めきめきと頭角をあらわしたVPN界の新星。
メリット | デメリット |
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2年間の長期契約では最安値。中国での接続も可能で、対応デバイス・機器も充実。
あえてデメリットを上げるとするなら、新興ゆえの信頼性くらい?
安くて、高品質のVPNを探しているなら「Surfshark」。
最終結論:NordVPNを選んだ理由
■ 自分の中での優先順位を考えよう
今回、8つの項目において、人気VPN3社を比較・考察してきた結果、最終的に自分が選んだのは「NordVPN」。
まず以下の5項目に関しては、多少の違いはあれ、3社とも通常使用において問題ないレベルであると判断しました。
- 動画配信サービスへの対応状況
- 通信速度
- 同時接続台数
- 個人情報保護・プライバシー
- 利用料金
絶対条件(優先度:高) | 十分条件(優先度:低) |
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残る3項目をプライオリティをつけると、スマートTV(Amazon FireTV stickやGoogle Chromecast)への対応は、自分にとってはマスト。
対する中国での接続と日本語でのカスタマーサービスは、あったら嬉しいけど、なくても困らないという位置づけ。
最後、スマートTVに対応している「NordVPN」か「Surfshark」という2択において、大手である信頼感から、「NordVPN」を選択しました。
実際に「NordVPN」利用した際の、申込み・初期設定・トラブルシューティングについては、下記の関連記事を参照してください。
■ 30日間の返金保証で安心
3社とも、無料トライアル期間というものはなく、30日間の返金保証制度を採用。
返金保証 | 30日間返金保証 | 30日間返金保証 | 30日間返金保証 |
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公式サイト | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
自宅における接続状況や速度、アプリの使いやすさやなど、実際に使ってみてから判断することもできるので安心。
現在、VPNのおかげで、シンガポールから日本の番組・作品を視聴。毎日、快適な動画タイムを満喫しています!
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