英国軍コロニアルバーの残照「Colbar」シンガポール洋食ノスタルジー

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都心部から少し離れたシンガポールの西部。

ワン・ノース駅周辺から伸びるポーツダウン・ロードのずっと先にある「ウェセックス」と呼ばれる一帯

駅からも遠く、本数の少ないバスが時折止まるのみ。そんな辺鄙な場所で、営業している一軒のお店があります。

知る人ぞ知る老舗食堂「コルバー(Colbar)」です。

 

COLBAR

1950年代の雰囲気を残すレトロ食堂


■ 旧英国軍人の御用達「コルバー」

この周辺に駐屯していた英国軍人が集まる食堂として、はじまった「コルバー」

創業1953年という、シンガポールの建国より古い歴史を誇ります。

緑豊かなWessex EstateにあるColbar

以来、「コルバー」として親しまれるようになったお店は、その看板を掲げ続けて半世紀以上

今日も、ウェセックスの豊かな緑の中に埋もれそうになりながら、昔と変わらぬスタイルを貫いています。

 

■ 創業時のスタイルは変わらぬまま

創業1953年という、シンガポールの建国より古い歴史を誇る「コルバー」。

Colbarの外観

鬱蒼としげる木々のアプローチを進むと見えてくる、鮮やかなターコイズブルーの壁に、赤文字で書かれた「COLBAR」の看板。

移転前(1998年)のColbar
壁の寄せ書きに描かれている移転前の「Colbar」

一度、高速道路の高架建設のために、創業時のJalan Hang Jebatから、現在のWhitchurch Rdに移転したものの、その原形は変わらぬまま。

 

■ 「コルバー」の記憶がつまったアイテム

ドアの目の前を我が物顔で占拠しているのは、年季の入った体重計。昔も今も、コルバーの守り主のように、入口に鎮座しています。

Colbarの入口に置かれた体重計

室内は、注文・支払いをするカウンターのある入口のスペースと、その隣の部屋にある10畳ほどのインドア席という作り。

Colbarのインドア席
壁に飾られた集合写真
Colbarの窓際の席
格子窓がいい感じ

黒ずんだ壁や床に、使い古されたテーブルとイス。部屋の片隅で回っている扇風機。

そして、額縁の色あせた写真たち。

Colbarの店内

一つ一つのアイテムが、このコルバーが紡いできた年月と、その物語を教えてくれます。

Colbarの半屋外テラス
かなりの席数がある広いテラス

平屋の半分は、屋根のみの半屋外スペース

もちろんエアコンなどはありませんが、吹き抜ける風と四方を囲む木々の緑が気持ち良いテラス席です。

Colbarのドリンク

ここに陣取って、食事が運ばれてくるまで、ゆったりと休憩します。

 

FOODS

中華×西洋!シンガポール的洋食


参考までに、メニューはこんな感じ。サンドイッチなどの軽食から、肉系のメイン、ローカルの麺や飯ものなど、幅広いラインナップ

Colbarのメニュー

前述した入口のカウンターで、注文・支払いを済ませましょう。

 

■ 洋食の王道「ポークチョップ」

コルバーの人気No.1「ポークチョップ」

日本では、そこまで馴染みのない料理ですが、シンガポールではローカルの食堂などで「ウエスタン・フード」といえば必ず出てくる洋食の王道メニューです。

Colbarのポークチョップ

肉厚のボリューミーな豚肉が2枚。そこにトロミのあるブラウンソースがたっぷり。

ウエスタンと中華風を折衷したような味付けが、日本人の口にも合う「ハイナンニーズ・ポークチョップ」です。

 

■ イギリス名物「フィッシュ&チップス」

イギリスを代表する料理といえば「フィッシュ&チップス」

揚げたての白身魚は、外はカリッと中は柔らか。シンプルですが、美味しい一皿。

Colbarのフィッシュ&チップス

その昔、英国軍の兵士たちも故郷を懐かしみながら、この「フィッシュ&チップス」を食べていたのでしょうか?

 

■ スペシャルな具沢山「フライドライス」

こちらの「フライドライス」は、ただのフライドライスではありません!

何たって「フライドライス・スペシャル」なのですから。

Colbarのフライドライス・スペシャル

見てください、この色鮮やかなトッピングの数々を!

キュウリやトマト、ハム、おまけに目玉焼きまで乗った、まさに具沢山の大盤振る舞い。今どきのインスタ映えではないけれど、お客さんを楽しませようという心意気に、ほっこりする一皿です。

 


車でないと、なかなかアクセスしづらい場所ですが、MRTのワンノース駅もしくはブオナビスタ駅からタクシーで10分もかかりません。

いつもと違う体験・気分を味わいときなどに、お出かけしてみてはいかがでしょう。

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