マレー半島縦断1800km『深夜特急』の旅③:寝台列車でタイの国境越え
2019年12月14日(土)
午前中、中華街の半日散策で過ごした前回からの続き。
いよいよ、旅序盤のメインイベントの一つ、タイ国鉄の寝台特急に乗車。
これで、バンコクからマレーシア国境の街「パダンブサール」まで一気に南下する行程です!
バンコク中央駅「フアランポーン駅」へ
■ トゥクトゥクで、いざ出陣!
14時ごろ、ホテル「シャンハイ・マンション・バンコク」を出発。
当初、駅までは歩いていこうと思っていましたが、ホテルの前にいたトゥクトゥクを見た途端に予定変更。
バンコクらしくトゥクトゥクで、駅までの道を疾走します!
■ バンコク中央駅「フアランポーン駅」
「フアランポーン駅」に到着しました。
1916年の開業以来、タイ国鉄の主要路線が発着するバンコク中央駅として、多くの旅人たちが行き交った「フアランポーン駅」。
残念ながら、2021年のバンコク中央駅の移転計画に伴い、駅としての役割を終えることが発表されました。
ドイツのフランクフルト中央駅をモデルにしたいうドーム型の駅舎は、100年経った今でも、全く色褪せることのない堂々たるもの。
入口すぐの待合フロアは、ドーム状の天井に、柱一つない大空間が圧巻。正面のガラス窓からは、明るい光が差し込みます。
聞こえてくるタイ語や、周りの雑多な雰囲気。異国の地にいる実感がフツフツ湧いてきました。
Hua Lamphong Station
■ タイの列車チケットの予約・購入
フロアの端にある列車のチケット売場。
タイ国鉄の切符は、駅の窓口で買うか、オンライン購入することも可能。
■ 簡単!タイ国鉄のサイトで予約・購入
バンコクからパダンブサール行きの寝台特急45号は、1日一本。
今回は、ホリデーシーズン中の土曜日出発ということもあって、あらかじめタイ国鉄の公式サイトで予約・購入しました。
サイトでは、シートを自分で選択することが可能。
特急No.45は1等室の設定はなし。2等室・2段ベットで、料金は上段が870バーツ、下段が960バーツでした。
チケットの購入(カード使用可能)が完了すると、登録アドレス宛にEチケットが送られてきます。
あとは、当日このチケットのプリントアウトを持参するだけ。窓口での引き換えは不要です。
メモ
オンラインチケットの予約・購入は、出発の90日前から。
■ 電光掲示板で列車の運行情報をチェック
チケットカウンターのところにあった電光掲示板で、列車の運行状況・プラットフォームを確認。
特急45号は予定どおりの15時10分、4番線のりばから出発です。
Hua Lamphong Station
バンコク〜マレーシアを結ぶ国際列車
■ パダンブサール行き寝台特急45号
発車まで、まだ30分以上あるのですが、プラットフォームのほうに行ってみます。
モニターに表示された4番線の列車情報。
- 行き先「Su-Nagai Kolok/PBS」
- 列車番号「37/45」
これは、スンガイコーロック行き特急37号とパダンブサール行きの特急45号の2つが連結されている混成編成という意味(PBSはパダンブサールの略)。
途中のハジャイ駅で、前方・後方車両で切り離しが行われて、それぞれ最終目的地へと向かいます。
構内の中央に設置された「Bangkok」の駅看板。
2021年には、ここがバンコク中央駅ではなくなってしまうことを思うと、寂しさが込み上げてきます。
4番線には、すでに列車がスタンバイ。
後方側がスンガイコーロック行き車両、前方側がパダンブサール行き車両。途中には、食堂車も連結されていました。
2号車から、いよいよ車内へ乗り込みます!
■ タイ国鉄・旧型寝台列車の車内設備
タイ国鉄の一部では、中国製の新型寝台列車が導入されている路線もあるようですが、パダンブサール行きの特急45号は旧型車両。
飾り気のないグレーのシートに、くすんだ白壁。年月を感じさせるレトロな車内は、旅情たっぷり。
一つのブロックに、2席が向かい合うボックスシート型の座席。
就寝時は、シート部分をズラして、真ん中の隙間を埋めれば、下段ベットに変身。上段ベットは、頭上の壁部分を手前に引けば出来上がり。
座席番号は、シートの側面に表示。上段ベットに上がるための階段もついています。
旧型車両の場合、コンセントは中央(18番席と21番席の間)の一箇所のみ。計4口の電源タップがありました。
電源プラグ形状は日本と同じA型タイプ。
長距離移動で気になるのが、トイレ。古い車体からイメージしていたより、意外に綺麗で一安心。トイレットペーペーも付いていました。
マレーシア国境まで18時間の鉄道旅
■ バンコク「フアランポーン駅」を出発
予定出発時刻より遅れること15分、列車が「フアランポーン駅」を発車しました。
目的地、マレーシア国境の「パダンブサール駅」には、翌朝8時53分の到着予定。約18時間もの鉄道旅です。
しばらくは、ビルや高速道路の見えるバンコク市街・近郊エリアを走る列車。
駅に停車するたびに、食事やお菓子・スナックなどをカゴにいれた売り子さんが登場。即席車内販売が始まります。
夕食として、美味しそうなガパオライスを購入。
そうそう、車掌さんによる切符の検札もありました。
■ 夕日を見ながらの食事
太陽がだいぶ傾いてきました。
この頃になると、車窓から見えるのは広大な自然の景色。
サンセットを眺めながら、夕食のガパオライス。美味しかったです。
■ ベットが完成&就寝
日が完全に落ちた6時20分ごろから、ベット・メイキングがスタート。
各車両に1人ついてくれているキャビン・アテンダントさんが、一つ一つセッティングをしてくれます。
クッションには枕カバー、シートに敷いたマットレスにはシーツ。最後にカーテンをつけて完了。
こちらが本日の寝床。上段ベットは窓なし、下段ベットは窓あり。
ベット幅は70〜80cmくらい。長さも、まっすぐ足を伸ばすことが十分可能。
カーテンを閉めれば、個室感のある快適空間に早変わり!
車内のライトは夜になっても消灯しないので、もし気になる人はアイマスクがあるとベター。
あと、列車には警察官も乗っているので、防犯面でも安心。
21時45分ごろの現在地。約6時間経過して、ようやく3分の1ほど進んだくらい。パダンブサール駅までは、まだまだです。
パダンブサール駅に到着
■ 寝台特急で迎える朝
おはようございます。マレー半島縦断旅3日目の朝です。
ぐっすり眠って、目覚めはスッキリ。でも外はどんよりした曇り空。
食堂車の人が車内に来て、朝食や飲み物のオーダーをとりにきてくれます。
注文したミロと、持っていたクッキーやスナックで軽い朝食。
だんだん晴れ間が見えてきました。
■ 「ハジャイ駅」で車両の切り離し
タイ南部の「ハジャイ駅」に到着。
前方車両は南西の「パダンブサール」へ、後方車両は南東の「スンガイコーロック」へと、ここで分岐。
車両の切り離し作業のため、30分ほど停車しました。
■ マレーシア国境「パダンブサール駅」到着
「ハジャイ駅」を出発したのが、9時ごろ。
この寝台列車の旅も、いよいよ終盤に近づいてまいりました。
最後に気をつけないといけないことは、「パダンブサール駅」が、タイ側とマレーシア側の両方に存在するという点。
目指すのは、タイ国境を超えたマレーシア側の「パダンブサール駅」なので、お間違えなく。
このことは切符を購入する際にも、留意しておく必要があります。
9時45分、マレーシア国境の「パダンブサール駅」到着。
予定では8時53分着だったので、約1時間の遅れ。
バンコクから19時間を共にした寝台列車とも、ここでお別れ。
べットでゆっくり休むことができたので体調良好。
ここからマレーシアに上陸です!
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