マレー半島縦断1800km『深夜特急』の旅⑭:有終の美!マラッカの夕日
2019年12月23日(月)
「マレー半島縦断旅」11日目。
日中はマラッカの定番スポット巡り。夕方には、この旅でやりたかったことの一つ「マラッカの夕日」で旅のフィナーレを迎えようという計画。
「コートヤード@ヒーレン」の朝食
■ 向かいのショップハウスで朝食ビュッフェ
朝8時まで熟睡。身支度をして、9時ごろ朝食に向かいます。
「コートヤード@ヒーレン」の朝食会場は、ホテルから道路を挟んで斜め向かいにある別のショップハウス内に設置。
飲み物(コーヒーか紅茶から選択可)はスタッフの人にお願いして、後は自分で取りにいくというスタイル。
ビュッフェ台には、カレーにロティ・チャンナイ(プラタ)、春巻、ハッシュドポテト。食パンにドーナツ、フルーツやヨーグルトが並んでいました。
卵料理は、カウンターで頼むことも可能。
とりあえず、フルーツと揚げ物という取り合わせで、サクッと朝ごはん終了。
そのまま、マラッカ散策へと出発します。
セントポールの丘周辺を観光
■ 静寂に包まれた朝の「ジョンカーストリート」
昨日のナイトマーケットの喧騒から一転、静かな朝を迎えた「ジョンカーストリート」。
まだ空いているお店も少なく、人通りもまばら。
■ マラッカの丘に建つ「セントポール教会跡」
今日は観光するのは、セントポールの丘周辺の観光スポット。
オランダ広場を通り過ぎて、裏手の道から丘へと登ります。
マラッカの街と海を一望できる頂上に残るのは、「セントポール教会」。1521年、ポルトガル植民地時代に建設されたカトリック教会の遺構です。
抜け落ちた天井から見える青空。朽ち果てた外壁に立てかけられた墓石が、時間の流れを感じさせます。
礼拝堂の奥に置かれた、空っぽの金網の囲い。
ここは、日本に布教後、中国に向かう途上で病死したザビエルの遺体が(インドのゴアに埋葬されるまで)安置されていた場所。
イエズス会を表す「IHS」という文字が刻印されています。
St Paul’s Church
■ ファモサ要塞跡 / サンチャゴ砦
セントポール教会の入口とは反対側にある階段を降りていくと、石造りの門が見えてきます。
1511年に、ポルトガルによって築かれた「ファモサ要塞跡」別名「サンチャゴ砦」です。
4つの砦と堅牢な防壁で、敵の侵攻に備えていた要塞ですが、イギリス植民地時代の19世紀には大部分が取り壊され、現存するのは、このサンチャゴ砦のみとなりました。
■ 「マラッカ・スルタン・パレス」
ファモサ要塞跡の近くに位置する「マラッカ・スルタン・パレス」。
マラッカ王国が栄華を極めた6代目スルタン「マンスール・シャー」が暮らした15世紀の宮殿を復元したものもの。
高床式や切妻屋根など、マレー建築の特徴が随所に見て取れる木造造り。
一切釘を使わず、伝統的な組木技法で建てられたという王宮は、当時の建築技術の高さを示しています。
現在、博物館として公開されている館内には、マレー王朝時代の工芸品や服飾品、交易品など1300点以上。
精巧なマネキンを使用して、玉座の間での謁見の様子や、マレーシアの国民的英雄「ハントゥア(Hang Tuah)」の戦いの再現もあります。
Melaka Sultanate Palace Museum
■ 在りし日のマレー鉄道ディーゼル機関車
スルタン・パレスの後、立ち寄ったのが、道沿いの交通公園。
ここに、昔のマレー鉄道の車両があると聞いたからです。
屋外に展示されていたのは、見るからに年季のいったディーゼル機関車と、1両の客車。
車体に刻印されている「1965年 大阪 Japan、KISHA SEIZOU KAISHA」というプレートを見るに、日本で製造された車両のようです。
今回のマレー鉄道旅で乗ってきた、近代化されたETSの流線型車両とは一線を画す無骨なディーゼル機関車。
在りし日のマレー鉄道との、ひとときの邂逅でした。
Melaka Historical Vehicle Park
■ マラッカ海洋博物館
川沿いに向かって歩いていると、見えてくる巨大な木造帆船。
マラッカを占領後、財宝を満載してポルトガルへ戻る途中に沈没した「フロール・デ・ラマール号」のレプリカ。
観光地によくある、遊覧船かなと思ったら、実は「マラッカ海洋博物館」。
船自体が展示室になっていて、大航海時代の貴重な資料が陳列されているそうです。
今回、見学はパスして外側からの写真のみ。
Maritime Museum
「ジオグラファー・カフェ」でランチ
■ 黄色の外壁が目立つ「ジオグラファーカフェ」
セントポールの丘周辺をぐるっと回って、オールドタウンに戻ってきました。
お腹はペコペコ、喉はカラカラで、早速ランチへ。
漢字で「地理学家」と書いて、ジオグラファーと読む「ジオグラファー・カフェ」は、旧市街で黄色の外壁が一際目立つバーレストラン。
店内は、ローカルのレトロさをおしゃれに取り入れた、欧米人に好まれそうな雰囲気。
日が照って、暑い中で歩き回ったので、冷たいドリンクが沁みます。
メニューにはローカルフードもあったけれど、旅行終盤でやや食傷気味。
「ジェノベーゼ」を食べちゃいました。
Geographer Cafe
長旅の疲れを癒すフットマッサージ
■ フットマッサージでリラックス
昼食後は、フットマッサージに行くことに。
旧市街の通りに何軒かのマッサージ店があったので、宿近くのお店で60分のコースをお願いしました。
ずっと暑い中を歩き回っていたため、足はパンパン。象のようにカサカサになったカカトも、軽石で整えてもらって、長旅の疲れをリセット。
マッサージのあとは、一旦ホテルに帰還。夕方まで、部屋でまったり休憩しました。
絶景!マラッカ海峡に沈む夕日
■ 水上に浮かぶ「マラッカ海峡モスク」
17時半ごろ再び行動開始。
世界一との呼び声高い「マラッカの夕日」を見るために、海辺に浮かぶ水上モスクへと向かいます。
18時前に、「マラッカ海峡モスク」に到着。Grabタクシーで9リンギット(約230円)。
まずはモスクを見学。全身を覆うローブを、入口でお借りして入場します。
モスクの奥にはあるテラスからは、マラッカ海峡が一望。
遥か水平線に沈みゆく夕日が、水面に反射して光の道を作り出しています。
■ モスク横の撮影スポットへと移動
全長約900km、幅は約70kmの「マラッカ海峡」は、マレーシア半島とインドネシアのスマトラ島を隔てる細長い海峡。
古くから東西交易の要衝として発達し、今でも世界で最も船舶航行の多い海域の一つです。
モスクと夕日を一緒に拝むために、モスク横の岸辺へ移動。
■ サンセット:水平線に沈む太陽
まん丸の夕日が、ゆっくりとマラッカ海峡に沈んでいきます。
太陽が水平線の向こうに落ちたのが、ちょうど19時ごろ。
■ トワイライト:空を彩るグラデーション
サンセットからしばらくすると、西の空が赤くに染まってきました。
赤〜ピンク〜紫と、空に描かれる美しいグラデーション。幻想的なマジックアワーです。
■ 夕闇:海辺に浮かびあがるモスクの明かり
空を覆っていた赤味も引き、宵闇が迫る時刻になると、モスクの明かりが水上に浮かびあがります。
小説『深夜特急』に世界一の夕日として描かれてから、いつか見てみたいと思いつづけていたマラッカの夕日。
今でも、まぶたの奥にしっかりと焼き付いた、燃えるような太陽。
マレー半島縦断旅のフィナーレを飾るにふさわしい最高の思い出となりました。
Melaka Straits Mosque
ボール型!? 名物チキンライス「古城鶏飯粒」
■ マラッカのチキンライスはボール型?
旧市街に戻ってきて、夕食を食べに「古城鶏飯粒」へ。
ここは、マラッカ名物チキンライスボールの有名店の一つ。
他のチキンライス人気店が夕方には閉店してしまうのに対して、夜までオープンしている有難い存在。
チキンと、もやし、そしてライスボール(飯粒)を注文。
チキンライス自体は、シンガポールでも食べられますが、一口大のボール型ライスボール、ここマラッカならでは。
正直、固く握られたライスボールより、お皿にふわっと盛られたライスの方が好みですが、ご当地フードを楽しむのも旅の醍醐味。ごちそうさまでした。
Famosa Chicken Rice Ball
午前中の定番スポット巡りから、世界一の夕日で有終の美を飾ったマラッカ2日目。
また一つ、旅の目的を達成! いい気分でおやすみなさい〜。
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