マレー半島縦断1800km『深夜特急』の旅⑧:廃墟ケリーズ・キャッスル
2019年12月19日(木)
「マレー半島縦断旅」7日目。
イポー滞在2日目は、ちょっと郊外へ足を伸ばします。
新市街の「富山茶楼」で朝飲茶
■ 旧市街と新市街を分けるキンタ川
今日も朝食を求め、朝から外出。
昨日と打って変わって、眩しいほどの青空。
イポーに来て、初めての晴天に、気分も上がります!
宿の前を走るスルタン・イスカンダル通り(Jl. Sultan Iskandar)を、東へと歩いていくと、見えてくるのがキンタ川。
イポーを南北に縦断する、この川を境に、西側が旧市街、東側が新市街となっています。
川を渡り、街の様子を楽しみながら、新市街の飲茶屋さんまで歩きます。
■ イポーの有名店「富山茶楼」で飲茶
到着した「富山茶楼」は、イポーで人気のレストラン。
早朝6時半から昼過ぎ(14時半)まで、点心メニューのみを提供している飲茶専門店です。
堂々とした佇まいの入口。
1階フロアだけでなく、2階にも客席がある、かなり広々とした店内。
席は自由に座ってもいいようだったので、空いているテーブルに着席。オレンジ色の制服を着た店員さんを呼んで、飲み物を注文します。
お茶と一緒に、やってきた伝票。
この紙を持って、点心が並ぶブースに向かいましょう。
注文は指差しでオッケー。伝票を手渡して、スタッフに個数を記入してもらうというシステムです。
中央付近には、蒸しものや揚げもの、デザート系のワゴン。壁際のブースでは、お粥などの料理もオーダー可能。
定番から見たことのないものまで、種類が豊富で、目移りしちゃいます。
食べ終わったら、入口正面のカウンターに伝票を持っていって、お会計。
ジャングルの廃墟「ケリーズ・キャッスル」
■ イポー市内からタクシーで約30分
一度宿に戻ってから、再び出発。
絶好のお出かけ日和となったイポー2日目の本日、郊外に位置する「ケリー・キャッスル」に向かいます。
ここは近年、廃墟ブームの高まりとともに、注目を集めるようになったスポットです。
Grabタクシーで、旧市街からは約30分、28リンギット(約750円)。11時ごろに到着。
「廃墟」というキャッチフレーズから、人影もまばらな閑散とした場所をイメージしていましたが、駐車場には大型バスが数台。たくさんの人で賑わう様子を見ると、想像していた以上に、メジャーな観光地のようです。
チケット売り場で入場券を購入。外国人は、大人10リンギット(約250円)でした。
■ 亜熱帯ジャングルに残る夢の跡
入口から橋を渡った対岸、小さな川沿いに建つ「ケリーズ・キャッスル」。
この城を建てたのは、スコットランド出身の実業家ウィリアム・ケリー・スミス(1870〜1926)。
ゴム農園で成功した彼は、莫大な富と情熱を注ぎ込んで、家族のために壮大な邸宅建設に着手。
しかし、56才のとき、ウィリアムは旅先のヨーロッパで病死。
主を失った夢の城は、完成することなく、ジャングルの中で朽ち果てたという、いわくつきの代物です。
■ 探検!隠し通路のある幽霊城
いざ、城の内部に潜入!
重厚なレンガ壁と、奥に見える鉄柵が相まって、まるで牢屋にも見えるこの空間は、「メインホール」。
入口からすぐ、一番初めに通る部屋です。
鉄柵で立入禁止になっているものの、ホールの隣に位置するのが「リビングリーム」。
このケリーズ・キャッスルで唯一、家具が配置されている部屋です。
階段を上がった2階は、主寝室や子供部屋、ゲストルームなど、よりプライベートな空間。
壁面を飾るモールディングや窓の意匠から、ウィリアムの細部にまで及ぶこだわりが偲ばれます。
子供部屋の奥に隠されていたのは、「秘密の通路」。何に備えてなのかは不明ですが、ここから外へと脱出できるようになっています。
白い列柱が並ぶ廊下。ここは、幽霊が出るというウワサが…。
■ ドキドキ!柵のない屋上から望む絶景
居住エリアの端に設けられた塔の方に行ってみます。
狭く急な階段を登っていきます。本来は、マレーシア初となるエレベーターが設置されるはずでした。
ちょうど本館2階の屋上から塔を見たところ。レンガ造りのヨーロッパの古城もしくは砦といった雰囲気。
屋上からは、見渡す限りに広がる亜熱帯のジャングルが一望できます。
ただ安全柵も手すりもないので、十分に気をつけて。
■ ムーア様式の馬蹄形アーチ
1階に戻ってきて、中庭に出てきました。
城内の展示パネルによると、スコットランド、ムーア、インドの3つの建築様式が融合しているという「ケリーズ・キャッスル」。
内側から見ると、ムーア様式の特徴である馬蹄形のアーチが見て取れます。
「ケリー・キャッスル」の向かいに残る古跡は、ウィリアムが最初に建てた「ケラス・ハウス(Kellas House)」。灼熱の日差しを反射して、クリーム色の外壁が輝いています。
■ Grabタクシーでイポーへ無事帰還
小一時間ほど見学して、入口まで戻ってきました。
いや〜暑かった!
駐車場の横にある売店コーナーで、冷たい飲み物を買って、しばし休憩。
座りながら、Grabアプリでタクシーの手配を試みます。
観光地とはいえ、こんなジャングルに囲まれた郊外で車をつかまえることができるのか心配だったのが、帰りのタクシー。
2回失敗。3回目でようやくドライバーを見つけることができました!
ポイント
帰りのタクシーを確保するには、観光客の出入りの多い時間帯(午前〜14時くらい)に来るのがポイント。ケリーズキャッスルまで観光客を乗せてきたタクシーが、帰りに客をピックアップするので成功率が高い。
旧市街のカフェ「Plan b.」でランチ
■ ローカル料理疲れ?を癒すおしゃれカフェ
タクシーで送ってもらったのは、イポー旧市街にあるカフェ「プラン b.」。
昨日、町を散策したときに通りがかり、目をつけていた場所です。
天井が高く、広々とした店内。レンガ壁に黒のアイアンの組み合わせが男前な、おしゃれカフェです。
注文したのは、「ペペロンチーノ」。
旅の7日目、ローカルフードに少し食傷気味だったので、久しぶりのパスタを楽しみました。
イポー旧市街の散策
■ 手作り雑貨が集合!アルチザン・マーケット
ランチ後、旧市街を少し探検します。
まずは「プラン b.」と同じ施設内にある「アルチザン・マーケット」をチェック。
オープンスペースに設置された各ブースには、地元の職人や若手アーティストたちによる、こだわりの雑貨が並んでいます。
Kong Heng Flea Market
■ 路地裏を探検!イポー旧市街
碁盤の目のように、細い小道が広がるイポーの旧市街。
それぞれに異なる表情を見せる通りは、歩いているだけで面白い発見があります。
カラフルな傘で頭上を飾るという趣向は、最近の流行なんでしょうか。ここイポーでも発見!
■ イポー旧市街「コンキュバイン通り」
旧市街の中で、一番人通りが多いのが「コンキュバイン通り」。
細い路地の両側には、お土産屋さんや食べ物のお店が軒を連ねています。
行列のできていた「頂豊潮州豆腐花」で、豆腐花をゲット。
豆腐花とは、豆乳を固めたものに、シロップをかけていただくヘルシーなスイーツ。
食後まもないにもかかわらず、ペロリと完食。
Concubine Lane Tau Fu Fa
■ 宿に戻って、シャワー&休憩
街の探索後、15時前に宿へもどりました。
午前中から「ケリーズ・キャッスル」を炎天下で探検したので、汗びっしょり。
シャワーを浴びて、ゴロゴロしているうちに、うたた寝してしまいました。
イポー最後の晩餐もモヤシ
■ 2日続けての「老黄」
お昼寝から目が覚めたのは、19時ごろ。
雨音がしていたので、雨が降ったことは気づいていましたが、その雨も止んだようです。
正直、そんなにお腹は減っていないし、出かけるのが面倒になってきた…。
でも明日はイポーを出発する日。この一食を逃すと次はないと、奮起して外へ出かけます。
イポー最後の晩餐に何を食べておきたいかを考えて、出てきたのは、あのモヤシ。
2日続けての老黄芽菜鶏沙河粉で、「モヤシ」と前回頼まなかった「ライスヌードル」を注文。
あー、やっぱりモヤシが美味しい!お腹減ってないと思ってたけど、あっという間に食べ尽くしました。
■ 就寝
天気もよく、「ケリーズ・キャッスル」まで足を伸ばしたイポー滞在2日目。
イポー最後の夜は、心地よい疲労感と満足感のうちに更けていきました。
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