あの時代・記憶が蘇る!壁画アーティスト「Yip Yew Chong」初個展
シンガポールの壁画アートの第一人者、Yip Yew Chongさんが、待望の初個展を開催中。
これまでシンガポールの街中を活動の場にしてきたYipさんが、初めて試みるギャラリーでの作品発表ということで、話題を集めています。
今回は、シンガポール在住日本人の間でもファンの多いYipさんの初個展をリポートします。
「Something, Somewhere, Somewhen」
■ 第1〜3作目の壁画のあるエリアでの初個展
会場は、アウトラムパーク駅から徒歩約10分ほどの場所に位置する「Art Porters Gallery」。
プラナカンの歴史的建物が並ぶ通りにある一軒のショップハウスを利用したギャラリー。
この近くには、Yipさんの第1作目にあたる「Amah」、第2作目「Barber」、そして第3作目「Provision Shop」の壁画があり、まさに始まりの地ともいえる場所です。
『Something, Somewhere, Somewhen』と題された初個展。
今まで描いてきた9つの壁画テーマを再解釈した3連作と、15の作品が展示されており、購入することが可能。
■ ついに判明!あのカレンダーの日付の意味
ギャラリーの一角に掲げられたカレンダー。
Yipさんの直筆で、初個展のタイトルに込められたメッセージが語られています。
このカレンダーに赤丸で印がつけられている1月12日は、今回の初個展がスタートした日なのですが、何とこの日はYipさんのお誕生日とのこと。
初めてカレンダーが登場した「Barber」から、「Home」、「Letter Writer」、「My Chinatown Home」など、幾度となく繰り返し使われてきたカレンダーの日付の謎が解けました。
簾・イス・お皿・洗濯板もキャンバスに
■ Something
展示室の中央正面に掲げられていたのは、「チョンバル・バードコーナー」。
簾(すだれ)にアクリル絵具で描かれた大作。
木製イスに描かれているのは、懐かしのエアメール封筒とガラケー。
この作品は、購入者が希望する宛先やメッセージを、Yipさんが最後に書き加えてくれるサービス付き!
ラミネート素材のテーブル天板に描かれた「リユニオン・ディナー」。
旧正月を迎えた、この時期にタイムリーなモチーフです。
テーブルがセットされた奥の展示室。シンガポールを象徴するような食べ物が、食卓や壁に並んでいます。
実物のエナメル食器に、ナシレマやロティ・プラタといったローカルフードを描かれた作品。美味しそう!
その他、洗濯板や木製まな板などをキャンバスに見立てた作品もあって、Yipさんらしいウィットにとんだ遊び心も健在です。
あの壁画が蘇る!シンガポールの原風景
■ Somewhere, Somewhen
3つの絵画をひと固まりにした3連作は、今までYipさんが街中に描いてきた壁画テーマを再解釈したもの。
プラナカン食器とお菓子、サロン(巻きスカート)、そして洗濯板で再構成されたのは、「Amah」の3連作。
「Letter Writer」の3連作には、先ほど判明した1月12日の日めくりカレンダーが登場しています!
壁画でイキイキと描かれていた、あの場面、あの時代、あの記憶が新しい切り口で蘇ります。
初個展『Something, Somewhere, Somewhen』は3月14日まで開催中。
個展のカタログは、Yipさんの公式サイトからダウンロード可能です。
早くも2回目の個展『Stories from Yesteryear』も始まっているので、そちらの方も要チェック!
Something, Somewhere, Somewhen
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