ベジタリアンの世界へようこそ!南インド料理「MTR」シンガポール店
人口の約9%をインド系が占め、インドやバングラディッシュ、スリランカからの労働者も多いシンガポール。
この国で暮らすようになって、大きく変わったものの一つが、インド料理への「固定概念」です。
ひと口にインド料理といっても、地方によって様々。
北インド料理 | 南インド料理 |
---|---|
小麦が主食(ナン、チャパティなど) | 米が主食(ドーサ、バスなど) |
生クリームを使ったとろーり系カレー | ココナッツを使ったサラサラ系カレー |
インド料理店を覗いてみると、日本で定番の「カレー&ナンセット」を食べているのは少数派。それよりも、今まで見たことも聞いたこともないようなメニューが主流であることに気づきます。
また、インド系の人々には「ベジタリアン(菜食主義)」も多いため、ベジタリアン専門レストランがあったり、普通のレストランでもベジタリアン用メニューがあることがほとんど。
今回は、そんな「ベジタリアン・インド料理」をシンガポールで初体験。あなたの知らないベジタリアンの美食をご紹介します。
南インド・ベジタリアン料理の人気店
インド料理ということで、やってきたのは、もちろんリトルインディア地区。
ファーラーパーク駅から徒歩2〜3分。セラングーンロード沿い、ヒンドゥー教のスリ・スリニヴァサ ペルマル寺院の向かいにあるのが、「MTR」。
インド南部、バンガロール発祥のベジタリアン専門の南インド料理店です。
群を抜いた口コミの件数で、常に「トリップアドバイザー」上位にランクしている同店。
看板には、「シンガポールNo.1ベジタリアン・レストラン」とデカデカとした文字が!
ほとんどインド系のお客さんが占めている客層に、一瞬ひるむかもしれませんが、勇気を出して入ってみましょう!
綺麗で清潔な店内は、ローカルのインド料理店の中ではピカイチ。
ゴチャゴチャしたところが苦手な人でも、大丈夫なのではないでしょうか。
注文・支払いは、入り口のレジで先に済ませる方式。番号札を持って、席で待っていると、店員さんが料理を運んで来てくれます。
名物マサラドーサは必食
■ マサラドーサ(Masala Dosa)
MTRの名物といえるのが「マサラドーサ」。
ドーサとは、米とレンズ豆が原料の生地を薄く焼いたインド版クレープ。
注文のたびに一枚一枚、丁寧に焼き上げられるドーサ。正三角形のかたちが美しい!
中には、カレー香辛料で味付けされたポテトがたっぷり。
スパイスの辛さとポテトの甘さ、そして、ほのかに感じる酸味が、何ともいえない絶妙な風味を奏でています。
これは美味しい!
■ セットドーサ(Set Dosa)
ドーサより厚いウタパムが3枚付いてくる「セットドーサ」。
薄く焼き上げたときのクリスピーさが命のドーサに対して、こちらはパンケーキのようなフカフカさが特徴。
一緒についてくるミントソースやサーグをお好みでつけて、召し上がれ。
■ チャパティ(Chapati)
全粒粉から作られた生地を円形に伸ばして焼いた「チャパティ」。
米が原料の生地であるドーサと比較して、初めて感じる小麦粉の生地のほのかな甘み。
薄いながらも、モチっとした弾力があるパンです。
インド版の定食「ミールス」
■ ミニミール(Mini Meal)
少しづついろんなものが楽しめる「ミニミール」。初めてみる料理ばかり!
お皿の下段には、Bhath(バス)と呼ばれる米料理が3種類。
- 本日のBhath。この日はレモンライス(Lemon Rice)
- ヨーグルトとお米からつくられたカードライス(Curd Rice)
- 米、野菜やレンズ豆のリゾットのようなビジベレ・バス(Bisibele Bhath)
上の左に並ぶのは、自分で味を調節するためのソース2種類
- ヨーグルトに刻んだキュウリ、ミントを混ぜたライタ(Raitha)
- 青菜がベースになったサーグ(Saagu)
そして、上段右にはデザート的な甘い口直し
- ケサリバス(Kesari Bhath)
おやつ感覚で食べられる軽食
■ ウディン・ワダ(Uddin Vada)
すり潰したレンズ豆をドーナツ型にして揚げたもの。
サクッとした外側とフワフワの内側。出来立ての、思わぬ美味しさに感激。
もう一個頼めば良かった。しかも$2。
■ ラヴァ・イドゥリ(Rava Idli)
セモリナ粉の生地から作った、ふかふかした蒸しパン。
中に混ぜ込まれているのは、コリアンダー、カシューナッツ、カレーリーフなど。
小さなお皿に添えられた、ギー(Ghee)と呼ばれるバターオイルをかけると、風味が一層アップ。
■ マサラティー・マンゴーラッシー
見た目以上に、ピリッと辛さがある料理が多いので、食事のお供にマサラティーやマンゴーラッシーを。
正直なところ、ベジタリアン料理の全部が口に合うというわけではなかったし、さっぱり系の南インド料理とクリーミーな北インド料理とを比べると、個人的には北インド料理が好み…。
でも、米やセモリナ粉、豆などの食材とスパイスで、ここまで風味豊かさ・満足度の高さを実現するメニューの数々に、奥の深いインド料理の一端を知る機会になりました。
メニューには、まだまだ未知なる料理があったので、また行ってみたいと思います。
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