「イスタンブール新市街」タクシム広場〜ガラタ塔〜カラキョイ散策
小高い丘の上に、有名なガラタ塔がそびえる「「新市街」は、金角湾を挟んで、旧市街の向かいに位置しています。
宿泊していた旧市街のスルタンアフメト地区からはトラムで4駅・10分とかからないので、イスタンブール滞在中に幾度となく足を運んだエリアです。
ここでは、新市街の観光&グルメスポットを、まとめて紹介します。
イスタンブール新市街の基本情報
■ 地図&おすすめルート
旧市街からのアクセスは、トラム(T1)で新市街のふもとに位置する「カラキョイ駅」へ。
カラキョイ駅から丘の上まで行く方法は、以下の2択。
- 徒歩で坂道を登る
- ケーブルカー「テュネル」を利用
ガラタ塔周辺の坂は、かなり勾配がキツイので、個人的にはケーブルカーを推奨。
イスティクラル通りに出たら、一旦ノストラジック・トラムで「タクシム広場」まで移動して、引き返し。戻りは徒歩で、タクシム広場〜ベイオール地区〜ガラタ塔〜カラキョイと散策するルートがおすすめ。
これだと坂道があっても、登りではなく下りになるので楽ちんです。
■ 丘の上下を結ぶケーブルカー「テュネル」
新市街を散策する前に、立ちはだかるのが坂道。
そんなときに便利なのが、ロンドン地下鉄に次いで、世界で2番目に古い地下鉄としても有名な「テュネル(Tünel)」。
麓のカラキョイから上部のベイオール地区まで、高低差60mをまたたく間にスキップできます。イスタンブールカードで乗車可能。
■ メインストリート「イスティクラル通り」
ベイオール地区からタクシム広場を結ぶ「イスティクラル通り」は、新市街のメインストリート。
トルコ共和国の樹立を成し遂げた独立戦争を記念して、トルコ語で独立を意味する「イスティクラル」と呼ばれるようになりました。
歩行者天国となっている通りは、全長約1.4km。両側にブティックやレストラン・カフェなどが立ち並び、イスタンブール随一の繁華街となっています。
Istiklal Caddesi
■ 路面電車「ノスタルジック・トラム」
イスティクラル通りに華やかな彩りを添えているのが、赤と白のツートーンカラーが目印の「ノスタルジック・トラム」。
1962年以前のイスタンブール市内(ヨーロッパ側)を走っていた旧型車両を模したクラシックな路面電車です。
外観だけでなく、車内の床・座席・ドアなども木製で、レトロな雰囲気。
新市街を走る路線(T2)は、ベイオール地区のテュネル広場からタクシム広場まで、5つの停留所を往復運転。イスタンブールで乗車可能。
普通のトラムなどに比べて、運航本数は1時間に1〜3本と少なめ。各停留所に掲示されている時刻表をチェック。
Nostalgic Tramvay
新市街の歴史を刻むランドマーク
■ 高さ67m!新市街のシンボル「ガラタ塔」
新市街のランドマーク「ガラタ塔」は、14世紀にジェノバ人が築いた石造りの塔です。
高さ67mの頂上に設けられた展望台からは、旧市街から金角湾、ボスポラス海峡までイスタンブールの街を360度のパノラマビューで見渡すことができるスポットとして有名。
入場チケットは€30(約4,700円)なり。
■ ネオゴシック様式「聖アントニオ教会」
イスティクラル通りの中間あたりに位置する「聖アントニオ教会」は、イスタンブール最大のローマ・カトリック教会。
もともと、1725年にイタリア人コミュニティによって建てられた教会が起源で、現在の教会は20世紀初頭に再建されたもの。
赤レンガの外壁と尖塔が印象的な聖堂は、ネオゴシック様式。内部のヴォールト天井やステンドグラスも必見です。
Church of Saint Anthony of Padua
オスマン帝国末期における西欧化の遺産
■ 瀟洒なアーケード「チチェキ・パサージュ」
フォトジェニックなスポットとして、新市街で人気の「チチェキ・パサージュ」は、オスマン帝国後期の1876年に誕生した商業施設。
1940年代になると、花屋が店舗の大半を占めるようになり、トルコ語で「花の商店街(Çiçek Pasajı)」と呼ばれるようになったそう。
内部は、ガラスの天井とドームに覆われたアーケードになっており、まるでヨーロッパの街角に迷い込んだような雰囲気。
現在は、レストランやバーが集まる飲食店街となっています。
Cicek Pasaji
■ アールヌーボー様式の「カモンド階段」
ガラタ地区の急な坂道をくだって、丘のたもと付近に残る「カモンド階段」は、金融銀行業で成功したユダヤ系のカモンド家が建設した階段。
優雅な曲線美を描く石造りの階段は、19世紀末当時に流行していたアール・ヌーボー様式の傑作です。
Kamondo Stairs
街に溶け込むストリートアート
■ キャンバスはシャッター!?
アートなのか落書きなのか分かりませんませんが、シャッターや壁に施されたカラフルなペイント。
こちらは、突然現れたフレディー・マーキュリー。
街歩きのささやかな楽しみの一つです。
イスタンブール新市街で食い倒れ
■ トルコ伝統の砂煎りコーヒー
ユネスコの無形文化遺産にも選ばれている「トルコ・コーヒー」。
伝統的な砂煎りコーヒーを体験するために、イスタンブール在住の「アジアねこ散歩ch」さんが紹介していた「Kahvechi Serif」にやってきました。
タクシム広場からイスティクラル通りを歩くこと、約5分ほど。マクドナルド手前の横道(Küçük Parmakkapı Sk.)で営業する露天のコーヒー屋さん。
路地裏にテーブルと椅子を並べただけの飾り気のない雰囲気も◎。
小さなコーヒー台の砂のなかで、銅製の小さな鍋「ジェズべ(Cezve)」をゆっくりと円を描くように動かすと、ジュワッと沸き立つコーヒー。
茶道ならぬコーヒー道とでもいうべき美しい所作に、魅せられます。
小ぶりなカップの縁ギリギリにまで注がれたコーヒー。表面には、クレマのような泡に覆われています。
コーヒーの粉が沈むのを少し待ってから、上澄みだけを飲むのが正しい作法とのこと。
エスプレッソに近い、深いコクと苦味が特徴の一杯。エキゾチックな砂煎りコーヒーの体験も、忘れられない旅の思い出になりました。
■ サンセバスチャン・チーズケーキ
インスタで頻出する「Viyana Kahvesi」は、イスタンブール内に10店舗以上を展開するカフェ。
ガラタ塔の正面と横道に2軒、イスティクラル通り沿いにも1軒(Narmanlı Han)、さらには、旧市街のシルケジや、アジア側のカドゥキョイなどにも店舗があり。
お目当ては、こちらの「セバスチャン・チーズケーキ」。いわゆるバスク・チーズケーキなのですが、上からたっぷりとかけられたチョコレートソースがミソ。
クリーミーなチーズと濃厚なチョコレートは、禁断の組み合わせ。
Viyana Kahvesi
■ バクラヴァ「カラキョイ・ギュルオール」
トルコの伝統菓子といえば、バクラヴァ。
どうせなら、一番美味しいバクラヴァを食べたいということで向かったのは、超有名店「カラキョイ・ギュルオール」。
2年ほど前、松屋銀座に出店した際に、日本のTVや雑誌でも話題になったお店です。
1846年創業という老舗イメージに反して、カラキョイにある本店は外観も店内もモダンで洗練された雰囲気。客席も多く、広々としています。
カウンターには、見たこともない数と種類のバクラヴァがズラリ。
迷いに迷って、定番のピスタチオ・バクラヴァと、チョコレートのバクラヴァの2個を注文。
幾層にも重なった極薄のフィロ生地はサクサク。サラッとした上品なシロップが、ピスタチオの風味を引き立てています。
ミルクが効いたマイルドな甘さと食感のチョコレート・バクラヴァも、美味しかったです。
Karakoy Gulluoglu – Nadir Gullu
近代的で、ヨーロッパ的な雰囲気のある新市街。
スタイリッシュなカフェやショップも多く、旧市街とは、また違った活気を感じることができました。
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