【なぜ?】日本とシンガポールの時差は1時間!歪んだタイムゾーンの謎
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18:18 | |
2024年11月23日(土) |
■ 日本との時差:1時間(日本より1時間遅い)
■ 世界標準時での表記:UTC+8 / GMT+8
■ サマータイム:なし
シンガポールの標準時と日本との時差
■ シンガポールの標準時(SGT)について
ただ今、シンガポールの標準時(SGT=Singapore Time)は、18:18。
世界標準時には、測定方法の違いによって、協定世界時(UTC=Coordinated Universal Time)とグリニッジ標準時(GMT=Greenwich Mean Time)の2つがありますが、どちらにおいてもシンガポールは世界標準時+8のタイムゾーンに属しています。
アメリカやロシアといった国土の広い国では、国内で複数の標準時が存在することもありますが、シンガポールの標準時は1つ。
またサマータイム(夏時間)の導入もなく、季節によって時間が進んだり・遅くなったりすることもありません。
■ 日本との時差は1時間
日本とシンガポールの時差は1時間。
日本標準時(JST=Japan Standard Time)は、世界標準時から9時間進んだUTC+9。UTC+8のシンガポールのほうが、日本より1時間遅いということ。
シンガポールの現地時間を知りたいときは、「JST−1」で簡単に計算できます。
時差がたったの1時間なので、フライトや移動での時差ボケもなし。普段の睡眠パターンや体内リズムを崩すことなく、旅行を楽しめるのが良いですね。
日本からシンガポールへのフライト時間
シンガポールへは、日本の各空港から直行便が出ています。おおよその飛行時間は以下のとおり。
- 北海道(新千歳空港)から8時間50分
- 東京(成田空港・羽田空港)から7時間40分
- 大阪(関西国際空港)から6時間55分
- 名古屋(中部国際空港)から6時間55分
- 福岡空港から6時間35分
タイムゾーンがおかしい?時間のズレ
■ シンガポール周辺のアジア諸国との時差比較
ここで、他の東南アジア諸国の時間・時差も見てみましょう。
日本が12:00のとき、
ホーチミン 10:00 ー 日本との時差 2時間
ジャカルタ 10:00 ー 日本との時差 2時間
バンコク 10:00 ー 日本との時差 2時間
シンガポール 11:00 ー 日本との時差 1時間
ほぼ同じ経度上に位置するバンコク・ジャカルタ・ホーチミンが10時なのに、シンガポールだけ11時。
普段、シンガポールで暮らしていると、あまり意識はしませんが、近隣国に旅行に行ったりすると、この時間のズレに遭遇することも度々。
例えばシンガポールからの週末バカンスで人気の「ビンタン島(インドネシア領)」。フェリーで到着すると、シンガポールより東に位置する現地時刻が1時間遅れていることに、奇妙な感覚に陥ります。
―――どこかが、おかしい…。
■ 「時差」と「経度」の関係
そもそも『時差とは何なのか』を、ちょっと復習。
一日(約24時間)をかけて1回転、自転している地球。球体である地球は「360度」なので、1回転にかかる「24時間」で割ると、360÷24は15。
1時間あたり15度回転していることがわかります。
つまり理論上、『経度が15度違うと、1時間の時差が生じる』ということ。
このことは逆に、『経度が15度以内だと、時差は生じない』とも言い換えることも可能。
子午線を基準に、東経・西経それぞれ経度15度ごとにタイムゾーンを設定するというコンセプトは、ここから生まれています。
■ タイムゾーン・マップ
タイムゾーン・マップで確認しても、シンガポールの位置は「UTC+7」のゾーン内に、きれいに収まっています。
本来なら「UTC+7」の時間帯のほうが自然にもかかわらず、どうして1時間早い「UTC+8」のタイムゾーンを採用しているのでしょうか。
なぜ!? 『WHY シンガポーリアン・ピーポー!?』(by 厚切りジェイソン)。
シンガポール標準時が1時間早い理由
■ 国際金融センターとして「香港市場」に競合するため?
シンガポール標準時が1時間早められた理由として、まことしやかに囁かれているのが、『香港に対抗するため』というウワサ。
確かに、UTC+8のシンガポールは、香港と同じ時間帯。
国際金融センターとして、アジアの覇権を争っているシンガポールが、香港市場の開場時間に出遅れないために、標準時を1時間早めたというもの。
いかにもシンガポールがやりそうなことですが、これはあくまでも副次的なメリット。
一次的な要因は香港ではなく、マレーシアとの関係にありました。
■ 20世紀におけるシンガポール標準時の変遷
シンガポール標準時の変遷を振り返ると、20世紀の激動とともに頻繁に変更されてきたことがわかります。
時代 | 期間 | UTC | 備考 |
---|---|---|---|
英国植民地 | 1905年6月1日以前 | UTC+6:55:25 | |
1905年6月1日〜1932年12月31日 | UTC+7 | ||
1933年1月1日〜1935年12月31日 | UTC+7 | 20分のサマータイム制を導入 | |
1936年1月1日〜1941年8月31日 | UTC+7:20 | サマータイムだったUTC+7:20をシンガポール標準時として正式採用 | |
1941年9月1日〜1942年2月15日 | UTC+7:30 | 20分から30分に変更 | |
日本占領 | 1942年2月16日〜1945年9月11日 | UTC+9 | 日本標準時を適用 |
戦後〜独立 | 1945年9月12日〜1981年12月31日 | UTC+7:30 | 1945年:日本降伏後、再び英国植民地に 1963年:マレーシア連邦の成立 1965年:シンガポールの分離独立 |
現在 | 1982年1月1日〜現在 | UTC+8 |
第2次世界大戦後、再び英国の管理下に置かれたシンガポールですが、1963年、マレー半島11州(マラヤ連邦)、ボルネオ島北部のサバ州とサラワク州とともに、マレーシア連邦を結成。
このとき、マレー半島とボルネオ島北部にまたがる領内には、2つの異なる標準時刻が存在していました。
- マレー半島 UTC+7:30
- ボルネオ島北部 UTC+8
1965年、シンガポールはマレーシア連邦から分離・独立しますが、その後もマレーシアとの結びつきは強く、1982年にマレーシアが国内の標準時をボルネオ時間(UTC+8)に統一するのに合わせて、シンガポールも同じタイムゾーンに移行。
これが、シンガポールが近隣の東南アジア諸国より1時間早い、UTC+8のタイムゾーンに至った真相です。
マレー語のシンガポール国歌だけでなく、タイムゾーンにまで影響を及ぼすマレーシア。時差の謎解きで、シンガポール・マレーシア両国の特別な繋がりを再認識しました。
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