70年代レトロの巣窟!インディーズ映画館「プロジェクター」へ潜入
本日は、シンガポールで映画館に行ってきた話。
でも、ただの映画鑑賞ではございません!
急速に変化する世の中から取り残されたように、1970年代の雰囲気を今に留めるインディーズ映画の牙城「プロジェクター(The Projector)」へ潜入。
半世紀前にタイムトリップしながら、いつもとは一味違う映画鑑賞を楽しんできました。
インディーズ映画の牙城
■ ゴールデンマイル・タワーの5階
「プロジェクター」があるのは、MRTニコル・ハイウェイ駅から徒歩5分ほど、「ゴールデンマイル・タワー」の5階。
1973年に完成した黄土色のブルータリズム建築が、ビーチロード沿いでも一際目立っています。
建設当時、シンガポールとマレーシアで最大の映画館として、タワー内に誕生した「ゴールデン・シアター」が、「プロジェクター」の前身。
タワー1階のエレベーターホールには、「黄金劇場ーGOLDEN TEATRE」という看板が掲げられています。
■ 1970年代レトロの遺品がゴロゴロ
エレベーターで5階へ上がると、想像以上に年季の入った空間が出現。
それほど広くはない待合ルームは、映画館の跳ね上げ式シートや映写機に、頭上で回るミラーボールなど、前時代の遺品で溢れています。
片隅に設置された証明写真ブースは、味のあるビンテージ風モノクロ写真が撮れるということで、プリクラ感覚で利用する現代の若者たちに大人気。
雑多な通路に描かれたアート。
螺旋階段には、放送終了後のテレビ画面に表示されるカラーバー。
1970年代レトロの巣窟は、クリエイティブな表現の場になっているようです。
「インターミッション・バー」
■ 幕間の休憩!ネオン輝く場末のバー
フロアの中央を占めるのは、場末のディスコのように妖しいネオンが輝く「インターミッション・バー」。
インターミッション(幕間)と名づけられたバーですが、実際に途中休憩のある映画は少ないので、映画開始前もしくは終了後に利用するのが得策。
■ ポップコーンだけじゃない!映画のお供
コーヒー・紅茶、ソフトドリンクはもちろん、アルコールはクラフトビールに創作カクテル、ワインなど、本格的なバーに負けない品揃え。
フードも、ポップコーンやナチョスといったスナック系から、ホットドッグやサンドイッチ、ピザなどの軽食まで多彩なラインナップ。
唐揚げも出来立てアツアツをいただけます。
レトロな映画ホールで映画鑑賞
■ 「プロジェクター」の上映ラインナップ
「プロジェクター」では上映される映画は、ハリウッドの最新作というよりも、メッセージ性の強いインディーズ作品・ドキュメンタリーが中心。
また、シンガポールの大手映画チェーンで上映するには集客・採算がとれないような外国映画のスポット上映や、アカデミー賞受賞作や過去の名作などのリバイバル上映もあり。
今回鑑賞するのは、2014年に公開され、アカデミー賞で4部門を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』。
チケットの購入&座席の指定はオンラインで可能。
上映中・上映予定の映画ラインアップについても、「プロジェクター」のホームページで確認できます。
■ 赤・緑・青の3つの映画ホール
「プロジェクター」にある映画ホールは3つで、赤・緑・青の三原色にちなんだ名前がつけられています。
扉の上に、「黄金影院・1」と記されたホールは、赤の「Redrum」。表示も扉もレトロ感満載で、たまりません。
最大収容人数・約210人のホールは、上段が通常の跳ね上げ式シート、下段がビーズクッション席。
スクリーン前にステージがあるので、映画のほか、講演やイベントの会場として利用されることも多いそうです。
今回、『グランド・ブダペスト・ホテル』の上映会場となったのは、緑の「Green Room」。
上映時間の少し前になると、扉がオープンするので、係員さんがチケットを見せて中に入ります。
使い古された階段やシートに、くすんだグリーンが醸し出すノスタルジックな味。
跳ね上げ式の座面に印字された「座席番号」も、最高にクールです。
半世紀前の空気が今でも息づく「プロジェクター」は、映画館自体にも価値がある文化遺産級の場所。
いつもと違うお出かけスポット、もしくは週末のアクティビティとして、「プロジェクター」での映画鑑賞はいかがですか?
The Projector
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