シンガポール名物「ホッケンミー」7選!地元民が選ぶ人気店を食べ比べ
【更新】「友富福建面」が移転
卵麺と米麺(ビーフン)の2種類の麺を、海鮮の効いた出汁で炒めた焼きそばの一種「ホッケンミー」。
もともと中国・福建省から伝わった料理ですが、今ではシンガポールの名物グルメとして、広く親しまれています。
辛いものが苦手な日本人にとっても、魚介ベースのホッケンミーは、特に人気のローカルフード。
今回、ホッケンミーといえば名前が挙がる7店をピックアップ。シンガポールのベスト・ホッケンミーを求めて、食べ比べします。
❶水源福建麺
■ 下町ゲイランのレジェンド屋台
シンガポールのホッケンミーを巡る食べ歩き旅で、トップバッターを飾るのは「水源福建麺(Swee Guan Hokkien Mee)」。
1968年から、ゲイラン・ロロン29沿いの小さなコーヒーショップで営業を続けるストール(屋台)です。
レジェンドだった先代から店を引き継ぎ、現在は息子さんが2代目として、鍋を振っています。
炭火焼き特有の、スモーキーな燻煙の香りをまとったホッケンミー。
太目の卵麺と歯応えのある細ビーフンに、プリプリの大きなエビ・イカ・卵などの具がたっぷり入っています。
魚介の旨みが染みた出汁で、全体をしっとりとまとめ上げた見事な一皿。
Swee Guan Hokkien Mee
❷ゲイラン・ロロン29ホッケンミー
■ 伝説の味を昇華させたホッケンミー
次に向かったのは、「ゲイラン・ロロン29ホッケンミー(Geylang Lorong 29 Hokkien Mee)」。
「ゲイラン・ロロン29」と名乗りながらも、お店があるのはイーストコースト・ロード。更にややこしいのが、「ゲイラン・ロロン29」というのが、1軒目に紹介した「水源福建麺」の住所だということ。
実は、この「ゲイラン・ロロン29ホッケンミー」の創業者と、「水源福建麺」の2代目は兄弟。ゲイランの地でホッケンミー屋台を始めたレジェンドは、この2人のお父さんにあたります。
兄弟のうち、お兄さんの方が独立した際、父親のホッケンミーに敬意を表して、創業の地を店名につけたという経緯。
ファミリービジネスが暖簾分けすると、兄弟・親族間でも骨肉の争いを繰り広げるケースがありますが、こちらの2店は良好な関係のようです。
食欲をそそる炭焼きの香りといい、麺と具のバランスといい、全体的に「水源福建麺」と同じような味がベース。
そこに、艶やかなラードのまろやかなコクがプラスされています。
Geylang Lor 29 Hokkien Mee
❸南星福建炒虾面
■ オールドエアポートロードFCの人気店
地元シンガポーリアンの間で、ベスト・ホーカーセンターとの呼び声高い「オールドエアポートロード・フードセンター」。
160を超える屋台がひしめく巨大ホーカー内で、1・2を争う人気店として知られるのが、「南星福建炒虾面(Nam Sing Hokkien Fried Mee)」。
ストール番号#01-32のお店です。
こちらのホッケンミーは、汁気の少ないドライバーション。
麺の芯にまで沁み込んだ魚介の旨味を味わう一皿。
Nam Sing Hokkien Fried Mee
❹海南福建炒蝦麺
■ ゴールデンマイルFCの行列店
アラブストリート・エリアの東側に位置する「ゴールデンマイル・フードセンター」。
実力派が揃うストールの中でも、一際長い行列で目を引くのが、#B1-34の「海南福建炒蝦麺(Hainan Fried Hokkien Prawn Mee)」。
2種類の麺がお互いにくっつくほど、超ドライタイプのホッケンミー。モチモチとした食感に、炒めたときの香り(wok hei)が際立っています。
Hainan Fried Hokkien Prawn Mee
❺友富福建面
■ チャイナタウンに移転した新興ストール
ホッケンミーの新興勢力として頭角をあらわした人気店「友富福建面(YouFu Fried Hokkien Prawn Noodle)」。
もともと「ゴールデンマイル・フードセンター」で営業していましたが、中華グルメの牙城「チャイナタウン・コンプレックス」に移転。
とろみのある出汁に、海鮮の味がギュッと凝縮されたホッケンミー。バランスのとれたウェットとドライの中間タイプ。
You Fu Fried Hokkien Prawn Noodle
❻鸿興炒蘇東蝦麵
■ ミシュラン・ビブグルマンのホッケンミー
「チョンバル・マーケット」2階のフードセンターにお店を構える「鸿興炒蘇東蝦麵(Hong Heng Fried Sotong Prawn Mee)」。
ミシュラン・ビブグルマンにも選ばれたホッケンミーの有名店です。
太目のビーフンを使用し、卵麺よりも分量が多いのが特徴。シコシコとした食感が楽しめます。
Hong Heng Fried Sotong Prawn Mee
❼榮發
■ カトン交差点のホッケンミー
「榮發(Yong Huat)」は、カトンI12が建つ交差点の一角にある「アリババ(AlibabaR)」内のホッケンミー屋台。
ホーカーとバーを組み合わせた「ホーカーバー」というコンセプトの店内は、小洒落た雰囲気。
世界各国のクラフトビールやワインを片手に、ローカルフードをいただけます。
「榮發」のホッケンミーは、尾頭つきの大きなエビが載った豪華版。
モチモチした麺に、出汁の効いたスープがしっかりと絡む絶妙のコンビネーション。
Yong Huat
一口に「ホッケンミー」と言っても、ドライ系とウェット系など、それぞれの店によって特色があることが分かった今回の食べ比べ。
さすが人気店だけあって、7店ともレベルが高く、すべて美味くいただくことができました。
あえてベスト・ホッケンミーを選ぶとすれば、海鮮の効いた出汁を麺に絡めて食べるのが好みのウェットタイプ派の自分にとっては、「水源福建麺」・「ゲイラン・ロロン29ホッケンミー」あたり(あくまでも個人の好み)。
食欲をそそる炭焼きとWok Heiの香りも秀逸でした。
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