シンガポールの朝食「カヤトースト」原点回帰のレトロ老舗めぐり10選
東南アジアで定番の朝食メニュー「カヤトースト」。
著しい経済発展を背景に、近未来的な都市に変貌したシンガポールですが、街のコピティアムで、1杯のコピとトーストを頬張る老若男女の姿は、時代を経ても変わらない朝の風景の一つ。
今回は原点回帰!昔ながらのレトロ老舗10店をめぐりながら、「カヤトースト」を食べ比べようという企画です。
- ❶ ヤクン・カヤトースト
- ❷ キリニー・コピティアム
- ❸ 喜園珈琲店
- ❹ チンミーチン(真美珍)
- ❺ 東亜餐室
- ❻ グッドモーニング・ナンヤン・カフェ
- ❼ Heap Seng Leong
- ❽ 瓊華昌(ケンワーサン)
- ❾ 亜成海南珈琲
- ❿ 五十年代
❶ ヤクン・カヤトースト
■ 1944年創業!カヤトーストの元祖
まずトップバッターは、「ヤクン・カヤトースト 」。
1944年の創業時、小さな屋台から始まったお店も、今やシンガポールで約70店を展開する一大チェーンに成長。
シンガポールで知らぬ人はいないカヤトーストの元祖的存在です。
ファー・イースト・スクエアにある「ヤクン・カヤトースト」本店では、トーストを昔ながらの炭火焼きで提供。
薄切りのトーストは、ラスクのようにサクサクの食感。
元祖店の正統派カヤトーストで、基準となるカヤトーストの味をチェックしましょう。
❷ キリニー・コピティアム
■ キリニーロード発祥の老舗チェーン
人気・知名度・チェーン規模において、「ヤクン・カヤトースト」と双璧をなす「キリニー・コピティアム」。
サマセット駅の裏側に伸びるキリニーロードからスタートしたお店です。
満遍なく焦げ目のついたカヤトーストは、表面はパリッと、内側はソフト。
カヤとバターの分量・バランスもバッチリ。
トーストサンドを4つ切りにしてあるのも、食べやすいくて◎。唯一の減点ポイントは、ちょっとシャバシャバすぎだった卵くらいかな…。
Killiney Kopitiam
❸ 喜園珈琲店
■ 新食感!ふわふわカヤトースト
ラッフルズホテル正面入口から1ブロック離れたビーチロード沿いにある「喜園珈琲店」。
開口部の大きなオープンエアの店内にテーブルが並ぶ、昔ながらのノスタルジックな雰囲気を残すコーヒーショップです。
朝早くから夜まで地元ローカルたちが集まる「喜園珈琲店」には、麺類や飯もののメニューはもちろん、カヤトーストも人気。
毎日、お店のオーブンで焼き上げられる自家製の山型パンを厚切りにしたカヤトーストは、ふわふわの新食感。
クリーミーなカヤジャムはバターとの相性も抜群です。
❹ チンミーチン(真美珍)
■ 復活した円盤カヤトースト
1950年代から、カトン地区でコピティアム(喫茶室)を営んできた「チンミーチン(真美珍)」。
2018年に一旦閉店ものの、2021年に奇跡の復活を遂げたことでも話題となった老舗店です。
極力、昔の面影を壊さないようにリノベーションされた店内は、モザイク床に、壁のタイル、大理石のテーブルに、曲げ木の椅子など、以前と同じ家具や装飾が出迎えてくれます。
「チンミーチン」のカヤトーストは、円盤型のパンを使用。トースト表面のカリッとした食感と、柔らかなパンのフワフワ感が同時に味わえるのが特徴です。
シンガポールでも、人気が高まりつつあるレトロ喫茶で、ノスタルジックなひとときに浸りましょう。
❺ 東亜餐室
■ ケオンサイク通りの伝説のコピティアム
アウトラムパーク駅から徒歩4〜5分の距離にあるケオンサイク・ロード。
周囲に、おしゃれなレストランやバー、ブティックホテルが建ち並ぶ高感度なエリアです。
街のY字路に位置するアイコニックな古い建物———正面に「東亜」と文字は、かつて、このビルに店を構えていた伝説的コピティアムの名残。
その「東亜餐室」は、今は移転し、ちょうど道の向かいにあたる場所で、営業を続けています。
東亜のカヤトーストは「トラディショナル・カヤトースト」と「クリスピーカヤトースト」の2種。
ほどよい厚さのパンに挟まれたカヤは、こしあんのようにテクスチャーが少し残る舌触りがGood。
卵の半熟具合も完璧で、総合的にレベルの高いカヤトーストをお試しあれ。
Tong Ah Eating House
❻ グッドモーニング・ナンヤン・カフェ
■ チャバタとカヤトーストの合体
オーチャードの交差点から、約5分ほどの距離にある「ファーイーストプラザ」。
「グッドモーニング・ナンヤン・カフェ」は、このローカル感漂うショッピングモールの2階にあるコーヒーショップです。
このカフェの名物は、イタリア風パン「チャバタ」を使った変わり種カヤトースト。
「オレンジ・チャバタ・カヤトースト」は、オレンジピールのほのかな香りが爽やか。
バターと半熟卵がたっぷり染みたフカフカのチャバタは、文句なしの美味しさ。
普通のカヤトーストより値段は高めですが、その価値あり。
Good Morning Nanyang Cafe
❼ Heap Seng Leong
■ カヤトーストとバター入りコーヒー
ラベンダー駅から徒歩5分ほど、HDBの1階にある「Heap Seng Leong(ヒァップ・セン・リョン)」。
見るからに、年季の入った佇まい。薄暗い空間に並ぶ、古びたテーブルにプラスチックの椅子。
時が止まったかのようなお店は、シンガポール・コピティアム界のレジェンドです。
カヤトーストは一辺が6cmほどの小ぶりなサイズ 。
ジュワ〜っと染み渡ったバターが、カヤジャムの自然な甘味を引き立てています。
カヤトーストと是非一緒にオーダーしたいのが、「コピ・グー・ヨウ(Kopi Go You)」と呼ばれるバター入りコーヒー。
シンガポールでバターコーヒーを味わえる数少ない場所なので、こちらもお見逃しなく。
Heap Seng Leong(協勝隆)
❽ 瓊華昌(ケンワーサン)
■ ゲイランの老舗コーヒーショップ
雑然としたゲイランロードの一角に建つ「瓊華昌(ケンワーサン)」。70年以上の歴史を誇る老舗コーヒーショップは、今も現役。
ゲイランを行き交う人々の憩いの場として、朝早くから夜遅くまで、いつも賑わっています。
3〜4個のストールが集まっている店内で、一番手前にあるのがトーストのカウンター。
注文・支払いを先に済ませ、自分のドリンクを受け取って、席で待機。
トーストと卵は席まで、持ってきてくれます。
カヤトースト、ドリンク、半熟卵がセットになった「ブレックファスト・セット」。
均一な厚みのバターと、まんべんなく塗られたカヤジャム。パンの端まで余すことなく味わえるカヤトーストです。
Keng Wah Sung
❾ 亜成海南珈琲
■ アモイストリートFC内のコーヒーストール
「亜成海南珈琲」は、50年以上の歴史を持つコーヒーストール。
1964年にラオパサで開店、1997年に現在の「アモイストリート・フードセンター」2階に移転しました。
ホーカーでは見慣れない、深みのある素敵なカップ&ソーサーでサーブされるカヤトースト・セット。
カヤトーストの味は、超薄切りの茶色いパンといい、炭火焼きのサクサク感といい、ヤクン・カヤトーストに近い印象。
フレンチトーストもシグニチャーらしいので、また今度試してみたいです。
Ah Seng (Hai Nam) Coffee
❿ 五十年代
■ アロマ薫るコピとカヤトースト
超ドローカルな雰囲気漂う「チャイナタウン・コンプレックス」。
2階にあるホーカーセンターの中でも、朝から行列のできる店として知られているのが、コーヒーストール「五十年代」です。
列に並んで待つこと約10分ほどで、オーダー完了。
出来上がったら、ストールのおばちゃんが、手招きで呼んでくれました。
焼きたてのトーストには、縞々の焦げ目がくっきり。中には、パンよりも分厚いバターがサンド。
薄型のカヤトーストはサクサクで、ペロリと完食。2pcsでも良かったかも。
The 1950’s Coffee
以上、カヤトーストの伝統を守る昔ながらの店舗10選でした。
また、最近おしゃれカフェやレストランで、カヤトースト・メニューが続々と登場!
オープンタイプのカヤトーストに、塩パンやブリオッシュ、サワードゥーなどとの組み合わせ、さらにはドリンクに至るまで、今までの固定概念を超えた進化系カヤトーストが登場しています。
カヤトースト特集・第2弾は下記をチェック!
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