シンガポール金融街の台所「ラオパサ」マリーナベイ地区の巨大ホーカー
【更新】「上海生煎小籠包」を追加
シンガポール旅行で、多くの人が訪れるであろうマリーナベイ地区。
マーライオンやマリーナベイサンズといった人気スポットが並ぶ観光エリアであると同時に、アジア随一の金融街を抱えるシンガポール経済の中心地でもあります。
シェントン・ウェイに広がる超高層ビル群の谷間に佇む、赤茶色の屋根に時計台が特徴的な建物。
オフィス街で働く人々の胃袋を支えるのが、「ラオパサ・フェスティバル・マーケット」です。
ラオパサの基本情報
■ 由来と歴史:19世紀から続く旧市場
「古い」を意味する中国語「Lau(老)」に、ペルシャ語の「Bazaar(市場)」がなまった「Pa Sat」がくっついて、「ラオパサ」 。
文字通り「旧市場」を意味するラオパサの歴史は古く、19世紀につくられた「テロックアヤー・マーケット」が前身。
1991年から、現在のようなストールが並ぶホーカーセンターとして使われるようになりました。
ラオパサのシンボルである時計台と、繊細な装飾を凝らした鉄柱は、スコットランド人技術者のジェームズ・マクリッチによるもの。
1890年代当時に流行したビクトリアン・スタイルの優美な姿を今に伝える歴史的な建造物として、シンガポールのナショナル・モニュメントに指定されました。
古い市場というと、汚いのではと身構える人もいると思いますが、定期的な改装や修復が行われているので、内部はとても綺麗。
立地といい、清潔度といい、シンガポールの数あるホーカーセンターの中でも、旅行者には入りやすい雰囲気です。
■ アクセス:ラオパサの場所と行き方
ラオパサがあるのは、マリーナベイのオフィス街のど真ん中。
位置的には、ちょうどMRTダウンタウン線(青)のダウンタウン駅とテロックアヤー駅の中間あたり。どちらの駅からも、徒歩だいたい4〜5分ほど。
もしくは、ラッフルズプレイス駅やマーライオン公園からも歩いていける距離。
マリーナ周辺のホテルに宿泊しているなら、暑さの和らぐ日没後に、ブラブラと散歩しながら夕食に出掛けるのもおすすめ。
■ 営業時間
ラオパサは、それぞれのお店によって営業時間が異なります。
オフィス街が近いこともあって、平日の昼は大混雑なので、ランチの場合ちょっと昼前か14時以降に行くなど、時間帯をズラすのが行列を避けるコツ。
メモ
公称「24時間営業」のラオパサですが、深夜や早朝の時間帯はほとんどのストールがクローズしており、実際に24時間営業しているお店は少ないので、ご注意を
■ フロアマップ
約70以上の屋台と、約2500の座席を有する巨大ホーカー「ラオパサ」。
上から見ると、風水で全方位から幸せを引き寄せる八角形の形をしています。
中央に配置されたドリンクコーナーから、八方に伸びる通路。
ストール(屋台)を見て回っている最中に、どこにいるか分からなくなったときには、鉄柱ポールに掲げられた番号をチェック。1〜8まで割り振られたストリート・ナンバーで、現在位置を確認しましょう。
席は空いていれば、どこに座ってもオッケー。
お会計は、ストールごとに注文時に先払いするシステム。現金・クレジッドカードが利用可能です。
おすすめ!ラオパサの人気ストール6選
ラオパサには、チキンライス、バクテー、ラクサといったシンガポール名物はもちろん、インド料理、タイ料理、日本食など世界各国の食事が揃っています。
逆に、お店がありすぎて、どこで何を食べたらいいか分からない!
そんな方のために、在住者が自信を持っておすすめするラオパサの8店をご紹介します。
❶ ビブグルマン認定「老夫子炒粿條」
2023年にオープンしたばかりの「老夫子炒粿條」。
ラオパサでは新入りですが、「オールドエアポートロード・フードセンター」の有名店が進出したもので、実力は折り紙付き。
ミシュラン・ビブグルマンにも選ばれた「老夫子炒粿條」の看板商品は、チャークイティオ。
幅広の米麺に、エビ、卵、もやしなどの具と一緒に炒めた麺料理。香ばしい香りが食欲をそそる屋台飯の代表格です。
Lao Fu Zi Fried Kway Teow
場所ストリート7、ストール番号74&75
❷ ホッケンミーの人気店「Seng Kee」
続いての2店目は、ラオパサで人気のストールとして、必ず名前が挙がる「Seng Kee」。
たまご麺・米麺の2つの麺に、塩味ベースの海鮮ダシが絡んだ「ホッケンミー」。
辛さもなく、日本人の口に合う味で、誰にでもおすすめできる一皿です。
Seng Kee Local Delights
場所ストリート3、ストール番号10
❸ こだわり地鶏「イポー海南チキンライス」
シンガポール名物「チキンライス」を食べるなら、「イポー海南チキンライス」へ。
マレーシアの美食の街イポー名物「カンポン・チキン(放し飼いの地鶏)」にこだわったチキン。しっとりと弾力のある鶏肉に、旨味が凝縮しています。
Ipoh Hainanese Chicken Rice
場所ストリート4、ストール番号14
❹ スクランブルエッグ丼「Sing HK Kitchen」
香港風のスクランブルエッグ丼が人気の「Sing HK Kitchen」。
こんもりと盛られたライスの上に、ふわふわのスクランブルエッグ、ポークチョップとレタスがトッピング。たっぷりと掛かった甘辛いタレが、食欲をそそります。
卵、米、肉とバランス抜群、満足度の高いワンプレートです。
Sing HK Kitchen
場所ストリート4、ストール番号12
❺ ほっこり!熱々のヌードル「板面」
油っぽいコッテリとした料理に食傷気味なときには、「板面」がおすすめ。
きしめんのような平麺を、出汁の効いた熱々スープ。あっさりとした麺料理が、疲れた胃袋にじんわりと染み渡ります。
Qiu Lian Ban Mian
場所ストリート6、ストール番号16
❻ 皆んな大好き「上海生煎小籠包」
日本人に一番人気の飲茶・点心いえば、小籠包。
ラオパサで小籠包が食べたいときには、「上海生煎小籠包」へ。
蒸したてアツアツの小籠包の中には、旨味のつまった肉汁がたっぷり。
6個で$7.8とリーズナブルながら、本格派の味わい。焼き餃子や水餃子もあり。
Shanghai Fried Xiao Long Bao
場所ストリート6、ストール番号64
❼ 飲茶点心「ライオンシティ・ディムサム」
蒸しもの、揚げものなど、多彩な点心がショーケースに並んでいる「ライオンシティ・ディムサム(獅城点心)」。
一口サイズの点心は、おつまみやサイドメニューとしても最適。
こちらのストールは24時間営業なので、朝から夜まで好きなときに飲茶が楽しめます。
Lion City Dim Sum
場所ストリート8、ストール番号22
❽ ベーカリー屋台「バター&クリーム」
食後のデザートは、ベーカリー屋台「バター&クリーム」におまかせ。
屋台のショーケースには、マフィン、タルト、チーズケーキなど、美味しそうな焼き菓子がズラリ。
1個・$2.6〜と、お手頃な値段もGood。
Butter & Cream
場所ストリート1、ストール番号5&6
ラオパサ名物「サテー・ストリート」
■ 毎日夕方にサテー屋台が建ち並ぶ
ラオパサ、夜の名物といえば「サテー・ストリート」。
毎日、夕闇が迫る19時頃、ラオパサの四方を取り囲む道路のうち、南西側を走る「ブーンタット・ストリート」が封鎖され、「サテー・ストリート」に早変わり。
路上にテーブルと椅子を並べた、即席青空ビアガーデンが出現。
歩道に並ぶサテー屋台は、約十数軒。
近くを歩くと、それぞれの屋台の客引きが声をかけてきますが、強引ではありません。
絶え間なくサテーを焼き続ける屋台からは、食欲をそそる匂いとモクモクとした煙が、辺りに立ちこめます。
サテーの種類は、だいたいビーフ、チキン、ラムの3つ。お店によっては、エビの串焼きを取り扱っている屋台もあり。
一緒についてくる、ピーナッツソースをつけて、召し上がれ!
メモ
サテーは、屋台の並ぶアウトドアエリアだけでなく、屋内の席で食べることも可能。メニューを持ったサテーの客引きが、建物内を回っているので、オーダーしましょう。できたらテーブルまで運んできてくれますよ。
「フードフォークス」でお土産さがし
■ シンガポールのブランドやグッズが集合
2020年には、ラオパサの一画に「フードフォークス(Food Folks)」という屋内スペースがオープン。
コーヒーに、アイスクリーム、アサイーボウルなどのスタンドが集まった軽食コーナーと、シンガポール・ブランドの食品や雑貨などを販売する小売コーナーに分かれています。
種類は限られていますが、シンガポールのお土産も揃っているので、食後に覗いてみましょう。
観光スポットにも近く、旅行者も入りやすい「ラオパサ」で、シンガポールのホーカー文化を体験してください!
Lau Pa Sat(Telok Ayer Market)
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